季節の変わり目は抜け毛が多い?薄毛の原因と対策方法とは?
男性型脱毛症に悩まされている成人男性は、ある調べによると1200万人にも及ぶそうです。
また、男性だけでなく、女性もホルモンバランスの乱れる時期になると抜け毛が増えることがあり、結果として薄毛に悩まされることがよくあります。
では、そもそも抜け毛の原因とは何なのでしょうか。
今回の記事では抜け毛の原因についてさまざまな角度から検証することで、対処法について解説していきたいと思います。
男性にとっても女性にとっても悩ましい問題である抜け毛。
髪の毛は周期的に生え換わっているので、正常な範囲での抜け毛であれば心配することはないのですが、シャワーの度に排水溝に大量の抜け毛が絡まっていると、ため息をつきたくなるものです。
それではまず、抜け毛の原因について見ていきたいと思います。
人間の髪の毛は、実は生まれたときにその本数が決まっているということをご存知でしたでしょうか。
その数は個人差こそ多少あるものの、およそ10万本といわれています。
そして、10万本の髪の毛それぞれが、成長しては抜け落ちるということを繰り返しています。
このことをヘアサイクル(毛周期)と呼んでいます。
ヘアサイクルは髪の毛1本1本異なっているため、一斉に髪の毛が抜けおちてしまうようなことはありません。
ヘアサイクルは成長期前期と成長期後期、退行期、休止期に分けられます。
4年から6年の成長期を経て、2週間から3週間の退行期を迎えます。
そして、数ヶ月程度の休止期を経たのちに抜け落ちるという周期になっています。
成長期には毛母細胞や毛乳頭の活動が活発になり、細胞分裂が促進されることによって髪の毛が伸びていきます。
一般的には1日に0.3mmから0.5mm程度、1ヶ月当たりおよそ1.2cm、1年に換算するとおよそ15cm伸びる計算となります。
ヘアサイクルの終焉を迎えた髪の毛は、毛根から生えてくる新しい髪の毛に押し出されるようにして抜け落ちていくのが正常なヘアサイクルとなっています。
ところが、なんらかの理由でヘアサイクルに異常が生じた場合、髪の毛が太く成長しなかったり、成長の途中で切れたり抜け落ちたりすることがあります。
それによって薄毛が進行してしまう訳ですが、目安としては抜け毛の中に細くて短い髪の毛が増えてきたら薄毛のサインと思って間違いないということです。
また、1日あたりの髪の毛の抜ける量に関しても把握しておくとよいでしょう。
ヘアサイクルが正常な場合の1日あたりの抜け毛の本数は、およそ50本から100本程度だといわれています。
それ以上の抜け毛が見られるようであれば、ヘアサイクルに異常が生じている可能性があります。
参考:毛根から抜け毛の原因を分析!今すぐできる抜け毛・薄毛診断
抜け毛の原因としては、ホルモンバランスの乱れが、その理由としてあげられることが多いようです。
特に男性型脱毛症の原因の多くがホルモンバランスの乱れだと考えられています。
また、女性の場合もホルモンバランスの乱れによって抜け毛の量が増えることがあるということです。
それでは男女別に、ホルモンバランスの乱れによってなぜ抜け毛が増えるのかについて見ていきたいと思います。
男性型脱毛症の原因として、ホルモンバランスの乱れは主要な原因だと考えられています。
男性ホルモンであるテストステロンが、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化することによって、ヘアサイクルに異常が生じて抜け毛が増えてしまうことが分かってきているのです。
テストステロンがジヒドロテストステロンという強力な男性ホルモンへと変化してしまう要因として、5α-リダクターゼの存在があげられます。
5α-リダクターゼは還元酵素であり、テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に、触媒としての働きをするのです。
男性ホルモンは、がっしりとした骨格や筋肉質な体つきなど、いわゆる「男性らしさ」を形作るために重要な働きをしています。
イメージ的にも、精力が旺盛な人や、性欲の強い人は、胸毛が濃かったり、髪の毛が薄かったりする印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。
ジヒドロテストステロンは胎児期に、男児の外性器を形成するために重要な働きをするので、必ずしも悪者という訳ではありません。
ただ、強力になりすぎると、薄毛の原因になったり、男性特有の疾患である前立腺肥大症になったりするリスクが上昇してしまうのです。
5α-リダクターゼには1型と2型があり、特に2型の5α-リダクターゼは頭頂部や後頭部の毛乳頭に多く存在していることが分かっています。
そのため、2型の5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロンが大量に産生されると、いわゆるO字ハゲやM字ハゲが進行してしまうこととなるのです。
実際に、男性型脱毛症の代表的な治療薬である「プロペシア」に含まれている有効成分のフィナステリドには、2型の5α-リダクターゼの分泌を抑制する働きがあります。
それによって、強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンが産生されるのを阻止し、髪の毛が抜けてしまうことを予防する訳なのです。
薄毛というと男性だけの問題のように考えてしまいがちですが、実際には女性にも薄毛に悩まされている方がたくさんいらっしゃいます。
女性の薄毛の原因としてもやはり、ホルモンバランスの乱れがその原因としてあげられています。
特に顕著なのが、中年期以降の女性に見られる薄毛です。
女性は中年期を迎えると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が減少することが分かっています。
それによってホットフラッシュや気分的な落ち込み、イライラなどいわゆる更年期障害を迎えることとなるのですが、それにともなって抜け毛が増えることもあるのです。
更年期障害の重さが人によって異なるのと同様に、中年期の抜け毛も人によってさまざまです。
全然影響がないという人もいれば、極端に抜け毛の量が増えるという女性もいます。
中年期の女性に見られる薄毛のことを、「女性男性型脱毛症」と呼ぶことがあり、円形脱毛症などとは区別されています。
男性ホルモンというと男性だけにあるように思われるかもしれませんが、実は女性の体内でも男性ホルモンであるテストステロンが産生されているのです。
女性であっても筋肉は発達しますし、骨格がしっかりとした方もいらっしゃいます。
また、女性であっても性欲に駆られたり、男性的な思考をしたりする方もいることと思います。
そのすべてではないにしろ、テストステロンが関与しているのではないかと考えられています。
女性の血液中に存在しているテストステロンの量は、男性と比べた場合およそ5%から10%程度だといわれています。
ところが、中年期以降に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少すると、相対的に男性ホルモンであるテストステロンの比率が高くなることなります。
それによって抜け毛が増えるのではないかと考えられているのです。
ただし、ホルモンバランスの乱れによって女性男性型脱毛症が起こるとは言っても、女性の場合、男性に見られる薄毛のように、局所がはげ上がってしまうようなことはありません。
どちらかというと、髪の毛全体のボリュームが低下したり、地肌が透けて見えたりといったことが起こります。
ホルモンバランスの乱れによって女性の抜け毛が増えるのは、更年期を迎える中年以降だけではありません。
妊娠や出産にともなってホルモンが乱れると、一時的に抜け毛が増えてしまうようなことがあります。
実際に、女性用に育毛剤の中には、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをする、大豆イソフラボンが成分として配合されていることがあります。
このように、女性もホルモンバランスの乱れによって抜け毛が増えるということなのです。
抜け毛の原因としては、遺伝もその理由の1つとしてあげられています。
特に、男性型脱毛症の場合、遺伝的要因を抜きにしては考えられないということです。
実際に、1942年のジェイムズ・ハミルトン博士の研究によると、正常な男子と宦官(去勢された男性)とでは、薄毛の進行に違いが見られるということが分かっているそうです。
ハミルトン博士によると、思春期以前に去勢されると禿げることがないということです。
また、思春期以降に去勢された場合、男性型脱毛症が進行していた者でも、薄毛の進行が停止するということです。
さらにハミルトン博士は、去勢された男性にテストステロンを投与するという興味深い実験をおこなっています。
その結果、家系的に禿げている人がいない者にテストステロンを投与しても髪の毛の量に変化はなく、家系的に禿げている人がいるものに関しては、男性型脱毛症が始まったり、男性型脱毛症が進行したりといった現象が見られたのです。
つまり、男性型脱毛症には遺伝も関与しているということなのです。
なぜこのようなことが起こるかというと、男性ホルモンであるテストステロンが睾丸から分泌されているからなのです。
そのため、思春期以前に去勢されてしまうと、そもそも男性型脱毛症の原因となるテストステロンが分泌されなくなってしまうため、禿げる可能性もなくなってしまうという訳なのです。
現在のところ、医学的に分かっている薄毛に関する遺伝子は、「アンドロゲンレセプターの感受性を高める遺伝子」と「5α-リダクターゼの活性化を高める遺伝子」の2つだということです。
アンドロゲンレセプターはホルモンを完治する期間とされており、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプターに反応することで、抜け毛が進行するとされています。
そのため、遺伝的にアンドロゲンレセプターの感受性が高い人の場合、男性型脱毛症になってしまうリスクも上昇してしまうのです。
また、遺伝的に5α-リダクターゼが活性化しやすい場合、やはり抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンの産生量が増加してしまうため、男性型脱毛症になるリスクも上昇するという訳なのです。
抜け毛の原因としては、ストレスの存在もその1つとして指摘されています。
ストレスは万病のもとなどと言ったりしますが、ではなぜストレスによって抜け毛が促進されてしまうのでしょうか。
ストレスによって抜け毛が増えてしまう要因としては、血液の循環が関与しているということです。
人間がストレス状態に置かれた場合、交感神経が優位になることが分かっています。
交感神経とは自律神経の一種で、副交感神経とのバランスによって、私たちの生命活動を担っています。
交感神経と副交感神経は、よく車のアクセルとブレーキの関係に例えられます。
日中活動的になるときにはアクセルを踏んで(交感神経が優位になって)、夜になって身体を休める際にはブレーキを踏む(副交感神経が優位になる)という訳なのです。
ところが、ストレス状態が続いてしまった場合、夜になってもアクセルを踏みっぱなし(交感神経が優位なまま)になってしまいます。
寝ている間には成長ホルモンが分泌され、身体を修復したり、細胞分裂を促したりしますが、交感神経が優位な状態が続くと睡眠の質が低下してしまいます。
それによってヘアサイクルに異常が生じて、結果として抜け毛が増えるという訳なのです。
また、交感神経が優位になると、血管が収縮して血液の循環が悪くなってしまいます。
血液は全身に酸素と栄養を運んでいるため、血液に循環が悪くなった場所には酸欠、および栄養状態の低下がみられることとなるのです。
頭皮の血液循環が悪くなると頭皮環境が悪化し、髪の毛の健全な生育に悪影響を与えてしまうという訳なのです。
現在、国内で発毛効果があると認められている発毛剤の一種にミノキシジルと呼ばれるものがありますが、ミノキシジルには血管を拡張して血液の循環を促し、それによって発毛効果を得ることを目的としています。
このことからも、髪の毛の正常な発育にとって、血液循環がいかに重要か分かると思います。
参考:頭皮の炎症はこうして起きる!各症状原因と対策・ケア方法
人間の身体は食べ物からできていますが、髪の毛も例外ではありません。
そのため、乱れた食習慣を続けていると、髪の毛の生育にも悪影響を与え、抜け毛が増えてしまうリスクが上昇します。
特に、高度経済成長期以降、脂っこい食べ物を好んだり、カロリーの高い食べ物を食べたりと、食習慣が欧米化してきています。
ただ、高カロリーな物や動物性の脂肪分を多く含んだ食習慣を続けていると、血液中のコレステロールが増加してしまい、毛乳頭への血液循環が悪化してしまうことが分かっているのです。
それによって細胞分裂が鈍化し、ヘアサイクルに異常が生じて抜け毛が増えてしまうのです。
ストレスのところでも触れましたが、血行不良によって頭皮環境が悪化すると、ヘアサイクルに異常が生じて、結果として抜け毛が増えてしまいます。
血行不良の原因はなにもストレスだけではありません。
現代人は昔の人に比べて身体を動かす機会が減ったとされますが、運動不足も血行不良の要因となります。
特に、現代人はデスクワークなど身体を動かさない仕事に就く人が増えており、それによって日中の運動量が極端に低下する傾向にあります。
デスクワーク自体、長時間に渡って同一姿勢を継続するため、筋肉が緊張してしまい血行が悪くなってしまいがちです。
また、あまり歩く習慣がない人も血行が悪くなりがちです。
女性の場合は、冷え症やむくみのある場合、血行が悪くなっていると言えます。
女性は男性と比べると筋肉の量が少なかったり筋力が弱かったりするため、血行が悪くなりやすいのです。
そのため、薄毛が気になる女性は適度に身体を動かすことも重要となります。
睡眠に勝る休養はないなどといわれますが、人間の身体の機能を正常に保つには、食習慣と並んで、睡眠習慣がもっとも重要となります。
睡眠不足が続いてしまうと、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌量が低下してしまうことが分かっています。
セロトニンは、ノルアドレナリン、ドーパミンと並んで、脳内の三大神経伝達物質とされています。
簡単に言うとノルアドレナリンとドーパミンが神経を活性化させる働きがあるのに対して、セロトニンは神経を鎮静化させる働きがあります。
そのため、睡眠不足によってセロトニンが不足してしまうと、神経が落ち着かずに興奮状態=交感神経が優位な状態が続いてしまうこととなります。
ストレスのところでも述べましたが、交感神経が優位な状態が続いてしまうと、睡眠の質が低下してしまい、結果として抜け毛の量が増えることとなるのです。
また、セロトニンの分泌量が減少すると満腹中枢にも異常をきたすことが分かっています。
セロトニンの分泌量が減少すると食事をしていても満腹中枢が刺激されにくくなり、ついつい食べ過ぎてしまったり、ドカ食いをしてしまったりすることがあります。
それによって食習慣が乱れることで、抜け毛の量が増えるリスクが上昇します。
抜け毛の原因としては、意外ですが育毛剤や発毛剤の使用もあげられています。
ただ、育毛剤や発毛剤の使用による抜け毛にはちゃんと理由があり、単なる抜け毛とは異なっています。
●初期脱毛
育毛剤や発毛剤の利用を開始してから、2週間から1ヶ月程度経った頃に、ふと髪の毛を洗っていると抜け毛の量の増えていることに気がつくことがあります。
せっかく育毛剤や発毛剤を使っているのに、なぜそのような現象が起こってしまうのでしょうか。
実はこのような抜け毛のことを初期脱毛と呼んでいます。
男性型脱毛症などが原因で薄毛になっている人の髪の毛は、髪の毛が十分に成長せず、細くて弱い髪の毛であることがしばしば見受けられます。
ところが、育毛剤や発毛剤を利用することでヘアサイクルが正常に戻ると、毛根から太くて強い髪の毛が生えてくるようになります。
太くて強い髪の毛は成長するにしたがって、先に生えていた細くて弱い髪の毛を押しだすことになります。
それによって、一時的に抜け毛が増えるような感じがしてしまう訳なのです。
つまり、初期脱毛がみられるということはとりもなおさず、育毛剤や発毛剤の効果が発揮されて髪の毛が増えてくる前兆であると言えるのです。
初期脱毛に関しては個人差があり、まったく初期脱毛がみられないという人もいれば、比較的長いあいだ初期脱毛が続いてしまう人もいるということです。
一般的には初期脱毛が始まってから1ヶ月ほどすると症状は収まってくるということです。
ただ、人によっては2ヶ月程度続くこともあるということです。
あまり長いあいだ抜け毛が続くような場合は、男性型脱毛症を専門にしている病院やクリニックの医師などに相談するとよいでしょう。
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犬や猫などの動物を飼っている人であればご存知だと思いますが、動物には換毛期と言って、毛が生えかわる時期があります。
では、人間にもそのようなことがあるのでしょうか。
また、季節によって抜け毛の原因は異なるのでしょうか。
冬から春になるときというのは、副交感神経優位から交感神経優位になる時期でもあります。
ストレスのところでも解説したように、交感神経が優位になると血管が収縮して血液の循環が悪くなります。
それによって頭皮の栄養状態が悪化することで抜け毛が増えてしまう可能性が上昇します。
また、日本では4月から新しい学期が始まりますし、新入学や新入社員が入社する時期でもあります。
それにともなって引っ越しをしたり、人間関係が変わったりすることもストレスの要因となります。
人によっては親元から離れて一人暮らしを始めることもあるでしょう。
それにともなって食習慣がいい加減になってしまう可能性もあります。
次に、春の抜け毛に関してはアレルギーもその要因と考えられています。
春になると花粉症を発症する人も多いと思いますが、花粉症の原因は花粉だけでなく、花粉に対して過剰に反応してしまう自分の身体の方にもあります。
そして、花粉に対して過剰に反応してしまうのはやはり交感神経が優位になっていることが原因としてあげられているのです。
花粉症は鼻や目だけでなく、体中のいたるところにアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
アレルギー反応が頭皮に現れれば、頭皮をかきむしってしまい、肌を傷つけたり炎症を起こしてしまったりすることもあるでしょう。
それもまた抜け毛の原因となりうるのです。
日本の夏はとても蒸し暑いことで知られていますが、蒸し暑い夏は汗を大量にかいたり、皮脂の分泌が増えたりする時期でもあります。
皮脂に汚れが付着することによって炎症を起こしたりかゆみを起こしたりして、結果、抜け毛が増えてしまうリスクが高くなります。
その上、夏場は非常に紫外線が強いため、頭皮に対してダメージを与えることとなってしまいます。
さらに、汗をかいたからと言って頻繁にシャワーを浴びたりすることも、頭皮や毛髪へのダメージを与える結果となってしまいます。
また、夏になると暑いからと言ってついつい冷たい飲み物を飲んだり、さっぱりとした食べ物ばかりを食べたりしてしまいがちになります。
冷たい飲み物は胃腸を冷やしてしまうため、身体の機能を損ねてしまうこととなります。
そうめんなどさっぱりしたものばかり食べていると、ビタミンやミネラルが不足して、身体の免疫機能が低下することにもつながります。
そういった身体的ストレスも抜け毛を増やしてしまう原因となるのです。
秋は、もっとも抜け毛の数が増える可能性のある時期だといわれています。
人間も動物である以上、犬や猫と同じように換毛期的な時期を迎えるというのが一つの理由となっています。
人間は衣類によって体温調節をおこなうことが可能ですが、より原始的な人類であった時の名残が、秋の抜け毛としてあらわれているのではないかと考えられるのです。
もう一つの理由としては、夏の間に蓄積したダメージが秋になって現れるというものです。
よく夏バテなどという言葉が使われますが、実際に夏の疲れが現れるのはちょっと涼しくなってきたころであることが多いと思います。
髪の毛に関しても同様で、夏の間の紫外線によるダメージが秋になって現れると考えられているのです。
通常の抜け毛は1日あたり50本から100本ということでしたが、秋になると1日に200本から300本もの抜け毛がみられることもあるということです。
ただし、ヘアサイクルが正常であれば、一時的に抜け毛の量が増えたからと言って、ただちに薄毛が目立つようになることはないということです。
一般的に冬場はもっとも抜け毛の少ない時期であるといわれています。
ただ、夏に比べると乾燥しているため、皮脂の分泌量が増えることとなります。
そのため、ふとしたきっかけで炎症やかゆみを起こしてしまうことがあります。
また、ウィンタースポーツをする人の場合、雪山で紫外線を浴びることが頭皮へのダメージへとつながります。
あと、冬場になると温かい帽子をかぶったりする機会が増えることと思いますが、あまりにも長い時間、帽子をかぶりすぎてしまうと、頭皮が蒸れてしまって、雑菌が繁殖しやすい間虚になってしまう可能性があります。
夏場に比べれば基本的に抜け毛が増えてしまうような頭皮環境になるリスクの低い冬ですが、抜け毛の量が気になっているような人は、冬場といえど油断は禁物だということが可能です。
ここまで読んで頂けた方であれば、抜け毛の原因は実にさまざまであることが分かって頂けたことと思います。
原因が様々であれば、対処法もいろいろです。
それでは、抜け毛に対してはどのように対処していくのがよいのでしょうか。
抜け毛を予防するという意味であれば、育毛剤を利用するという手があります。
育毛剤は医療用の医薬品ではないので、一般の薬局やドラッグストアで手軽に入手することが可能です。
また、通信販売などでも購入できますし、サプリメントとセットで購入することで割引を受けられることもあります。
育毛剤のメリットは、医療用の医薬品のような副作用の危険性が少ない高い効果が期待できる。
発毛剤などの医薬品は、化学的に製造されているため、どうしても副作用を逃れることができません。
厚生労働省によって認可されている発毛剤にはそれほど恐ろしい副作用はないということですが、それでもゼロという訳ではありません。
育毛剤は自然由来の成分を配合して作られていることが多いため、医薬品に見られるような副作用のリスクは低いということです。
ただ、人によっては育毛剤の成分が合わなくてアレルギーが出てしまったり、かゆみや炎症を起こしてしまったりすることもないわけではありません。
とは言うものの、育毛剤が比較的安全で、安心して利用できる商品であることに変わりはありません。
ただ、育毛剤はその名の通り髪の毛を「育(はぐく)む」ためのものであり、使ったからといってみるみる髪の毛が生えてくるというものではありません。
どちらかというと、今生えている髪の毛がしっかりと成長するようにしたり、頭皮の環境を整えたりすることが目的となっています。
実際に育毛剤の箱や説明書に書かれていることがありますが、ある程度進行が進んでしまった男性型脱毛症などに対しては、育毛剤では対処できないこともあります。
「ちょっと地肌が目立つようになってきたかな?」とか「髪毛のボリュームが少しなくなってきたかな?」などというときに、予防的に利用するとよいでしょう。
抜け毛への対処法としては、育毛剤などと併用して育毛用のサプリメントを服用するという手もあります。
育毛サプリの優れている点は、内服することによって塗り薬である育毛剤よりも高い効果が期待できるという点にあります。
育毛用のサプリメントには、ノコギリヤシやイソフラボン、カプサイシンや亜鉛、タンパク質やアミノ酸など、さまざまな成分が含まれています。
育毛剤にもそのような成分が含まれているのですが、頭皮に塗るだけだとそれほど高い効果が期待できません。
その点、育毛用のサプリメントは体内に入ると血液中に有効成分が浸透していくこととなるので、育毛剤よりも高い効果が期待できるのです。
特に、育毛剤や育毛サプリに含有されることの多いノコギリヤシには、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンの働きを抑える効果があるとされています。
また、育毛に対して有益なサプリメントはなにも育毛サプリだけではありません。
現代人の食生活にはビタミンやミネラルが絶対的に不足しているとされますが、それもサプリメントによって補うことが可能となっています。
ただし、サプリメントはあくまでも栄養「補助」食品なので、ちゃんとバランスを考えた食事を摂った上で、どうしても不足してしまう栄養素をサプリメントから摂取するとよいでしょう。
育毛剤や育毛用のサプリメントを利用してもなかなか効果が上がってこないという場合、育毛サロンで施術を受けるという手もあります。
育毛サロンにはリーブ21やアデランス、アートネイチャーやバイオテックなど、有名なお店もたくさんあります。
育毛サロンでは頭皮ケアを中心に、髪の毛を生えさせるために必要なさまざまな措置が講じられています。
育毛サロンで施術を受けるだけでなく、自宅でケアするための方法を教えてもらったり、また生活習慣の改善に関するアドバイスを受けたりすることが可能となっています。
育毛サロンでおこなわれるのはあくまでも施術であって、男性型脱毛症を専門としている病院やクリニックでおこなわれる治療行為とは一線を画しています。
そのため、病院やクリニックでの治療と比べた場合、発毛するまでに時間がかかるといったデメリットがあります。
育毛サロンのよいところとしては、長時間にわたって施術をしてくれる点や、誰にも相談できない髪の毛に関する悩みなどに、親身になって応対してくれるという点があげられます。
初回は無料でおこなっているところも多いので、試しに一度行ってみるのもよいでしょう。
ある程度まで進行してしまった薄毛を治したい時や、早めに対処したいときには男性型脱毛症を専門に治療している病院やクリニックを受診するとよいでしょう。
病院やクリニックでは専門家である医師による治療がおこなわれ、また男性型脱毛症の治療薬が処方されるのが一般的です。
日本で発毛効果があるとして厚生労働省から認可されている発毛剤としては、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルを配合した医薬品があります。
そのうち、フィナステリドとデュタステリドを配合した医薬品は内服タイプの医薬品であり、副作用のリスクが育毛剤や塗り薬タイプのみが認可されているミノキシジルよりも高いとされています。
そのため、患者さんひとりひとりの体質や既往(病歴)、アレルギーや体調などを考慮して処方箋が出されることとなるのです。
男性型脱毛症の治療には原則として保険が適用されないため、全額自己負担ということになります。
保険が適用されないので、治療費や処方箋などは病院やクリニックの言い値ということになります。
基本的に男性型脱毛症の治療は長期間にわたることが多いですし、治療薬の服用も、最低でも半年は継続するように指導されることが多いです。
ただ、その際にネックとなるのが薬代です。
正規の治療薬を用いた場合、フィナステリドの場合で1ヶ月に6000円程度、デュタステリドの場合で1ヶ月あたり10000円程度かかることが多いようです。
1年間に換算すると72000円から120000円ということになるので、経済的に苦しいというかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
その際に、通信販売で海外製のジェネリック(後発医薬品)を利用するという手もあります。
インドにあるジェネリック製薬会社が販売している男性型脱毛症の治療薬の場合、1ヶ月あたりの薬代を500円から1000円程度にまで抑えられることが可能となります。
ただし、日本で認可されている医薬品ではないので、正規の輸入ルートはありません。
そのため、個人輸入代行店などを通じて購入することとなります。
また、通信販売などで購入した場合、もし副作用などが起こった場合、自己責任となることも忘れてはなりません。
自己判断でそのような医薬品を利用する際には、定期的に健康診断を受けるなど気をつけるようにしましょう。
薄毛を根本的に治すのではなく、見た目だけを解決するというのであれば、かつらやウィッグを利用するというのも一つの手です。
最近では女性用におしゃれなウィッグも開発されているので、ファッション感覚で試してみるものいいでしょう。
最後に、自宅でもできる抜け毛対策について紹介して、本稿の締めくくりとしたいと思います。
基本は生活習慣の改善と頭皮ケアの二本柱となります。
抜け毛は生活習慣によって増えてしまうこともあるので、まずは生活習慣の見直しをおこなうことが重要です。
食習慣が乱れているのであれば、バランスのとれた食事に変更し、ジャンクフードやファーストフードなどはなるべく避けるようにしましょう。
また、たばこは百害あって一利なしなので禁煙し、アルコールも適量にとどめましょう。
睡眠不足が続いているようであれば仕事の仕方などを見直し、睡眠時間をしっかりと確保し、身体を休めるようにしましょう。
日頃から運動不足の人は、できるだけ階段を使ったり、週末には身体を動かしたりするよう心がけるよいでしょう。
誤った頭皮ケアの習慣がかえって抜け毛を促進することがあるので、頭皮ケアの仕方を一度見直してみましょう。
特に、化学的に製造されたシャンプーには、髪の毛や頭皮へのダメージを与える成分が多く含まれているため、なるべく自然由来の成分から製造されたシャンプーを利用しましょう。
また、男性の場合、髪の毛をドライヤーで乾かさずに自然乾燥させていることがありますが、それも髪の毛にダメージを与えてしまう要因となります。
洗髪後には速やかにドライヤーで髪の毛を乾かすようにしましょう。
洗髪は寝る前におこなって、不潔な状態のまま就寝しないことも大事です。
抜け毛の原因は実にさまざまですが、特にホルモンバランスの乱れが男女とも大きな要因となることが分かりました。
それでなくてもストレスや交感神経優位状態の持続は、身体にとって好ましい状態ではありません。
抜け毛を予防するためには身体を健康な状態に保ち、ストレスをため込まないようにすることが重要です。
また、季節によって抜け毛の量が変動したり、抜け毛になってしまうリスクが高くなったりすることも覚えておきましょう。
基本的に抜け毛の量がもっとも増えるのは秋です。
通常は1日に50本から100本の抜け毛があるということですが、秋になると1日に200本から300本ほど抜けてしまうことがあります。
ただ、ヘアサイクルが正常であれば、一時的に抜け毛が増えたところでそれほど心配することはありません。
その他の季節も、気温変動や気圧の変化によって身体へのストレスが増すと、抜け毛のリスクも上昇することとなります。
やはり、日頃からのストレス管理が大事だということです。
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