板見智『専門医が語る毛髪科学最前線』(集英社新書 2009年)によると、現在、日本の成人男性の3人に1人が薄毛に悩んでいます。
薄毛を解消する方法のひとつに植毛があります。
しかし、すぐに植毛の選択肢をとる方は少ないです。
大抵の方は、育毛剤や薬の服用で薄毛を解消しようとします。
その理由は、「植毛は人工の毛を埋めるんでしょ?」「植毛は高いんでしょ?」という認識があるからではないでしょうか?
実は、植毛の発毛効果は高く、そのうえコスパも高い薄毛解消法なんです。
間違った認識で、髪が生えるチャンスとお金を失ってはいけません。
今回は植毛の効果とコストについて解説をしていきます。
植毛には2種類があります。
ひとつは人工毛植毛術。
もうひとつは人毛植毛術。
どちらも薄毛が気になる部分に髪を埋めこんでいく医療行為です。
それらの違いは、人工の毛髪であるか、自分の毛髪であるかです。
それぞれがどのような植毛治療であるのか、もう少し詳しくみていきましょう。
ポリエステルやナイロンなどの合成繊維を使って作った毛髪を人工毛といいます。
その人工毛を髪の薄い部分に埋め込んでいく植毛手術を人工毛植毛術といいます。
人工の毛髪のため、いくらでも植毛できるというメリットがあります。
その反面で、術後に炎症やデキモノができるというリスクもあるのです。
日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)における人工植毛術は、行わないよう勧められるランクDに設定されています。
本人の脱毛しにくい後頭部や側頭部の皮膚と毛髪を、薄毛が気になる部分に移植していく植毛術です。
パンチで穴を開けるように移植する部分を採取し、毛髪単位で株分けして薄毛部分に植えていきます。
日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)における自毛植毛術は、行うよう勧められるBランクに設定されており、現在の植毛は自毛植毛術が主流となっています。
植毛術における主流となっている自毛植毛について、もう少し詳しくみていきましょう。
自毛植毛は1990年代以降に技術がすすんでいます。
初期の自毛植毛は、術後の跡が大きく、仕上がりも不自然になるなどの問題もあったようですが、近年では、技術が改良されて、術跡も小さく、生え際も自然な仕上がりになっています。
さらに、板見智『専門医が語る毛髪科学最前線』(集英社新書 2009年)によると、自毛植毛は、移植した髪が新しい部分に定着する率が90パーセント以上あり、高い増毛効果が期待できます。
自毛植毛は、本人の後頭部や側頭部から移植する皮膚を採取して薄毛部分に移植をします。
そこで毛根と髪が定着することで、元の髪と同じように成長していきます。
この定着率が90パーセント以上あり、髪を確実に増やす効果があるといえます。
合成繊維でつくる人工毛とは違って、自毛植毛は自分の髪を増やします。
そのため、髪の色や髪質が他の髪と同じになり、自然な風合いにすることができるのです。
自毛植毛は、毛髪を植え込むのではなく、毛根ごと移植をします。
そのため他の髪と同じように、成長と生え変わりがあります。
また後頭部や側頭部の細胞は、男性ホルモンの影響を受けないため抜け毛が起きないことがわかっています。
その細胞を移植するため、定着さえすれば、少なくても数十年は抜け毛を心配する必要がなくなります。
最新の自毛植毛術は、仕上がりの技術が格段に進歩しています。
特に生え際の仕上がりは、植毛をしたと言われてもわからないレベルにまで達しています。
人工毛植毛は、生え変わりがありません。
そのため、抜け落ちたときには、植毛をやり直す必要があります。
自毛植毛は、他の髪と同じように成長と生え変わりがあるため、特別なメンテナンスをする必要はありません。
人毛植毛が定着すると、増毛することができますが、人毛植毛をしない周りの毛髪が抜けて、もういちど植毛をする必要などがあります。
増毛効果の高い人毛植毛ですが、デメリットも確認しておきましょう。
人工毛はいくらでもつくることができますが、人毛植毛で移植する皮膚のドナーは本人のものです。
そのため、移植できる皮膚の量が決まってしまうので、植毛できる範囲も限りがあります。
移植した皮膚以外は、男性ホルモンの影響をうける元の皮膚のままです。
そのため、移植した部分の周りは薄毛になった場合は、その部分に人毛植毛を必要とする可能性があります。
人毛植毛術の初期に比べ格段に進歩していますが、皮膚を採取した場所に若干の跡が残ります。
ただ、髪が伸びてくれば隠れるため、目立ってしまうことはありません。
術後に感染症や表皮嚢腫とよばれるデキモノを発症する可能性があります。
植毛はQOL(QualityOf Life)で生活の質を高めるための治療のため、保険が適用されない自費診療で手術を受けるという扱いになります。
そのため、費用が高額になります。
自費診療、自費手術と聞けば、「いったいどれ程の費用が掛かってしまうのか」と疑問が湧いてきます。
自毛植毛で薄毛を解消したいと考える方にとって、効果と同じように気にかかるところでもあるでしょう。
自毛植毛にかかる費用とその他の薄毛治療にかかる費用をそれぞれ詳しくみていきましょう。
まず自毛植毛にかかる費用からみていきましょう。
人毛植毛は毛包とよばれる毛根を含む皮膚組織を採取し、それを抜け毛が目立つ部分へ移植します。
この毛包を数える単位をグラフトとよび、1つの毛包を1グラフトということになります。
1グラフトには、1本か~3本程度の髪が生えていて、1グラフトごとに移植をしていきます。
1つの稲の苗を1グラフトとして、それを田んぼに植えていく様子をイメージしていただくとわかりやすいです。
自毛植毛にかかる費用は、基本治療費とグラフト数で決まります。
グラフト数が増えれば、増毛を期待できるぶん、費用もかかってくるというわけです。
自毛植毛を行っている口コミ等で評判の良いクリニックを対象に、自毛植毛にかかる費用の調査を行ったところ、1グラフトあたり、1,000円前後が相場となっています。
移植する部位にもよりますが、グラフトに掛かる費用は、1,000グラフから2,000グラフトの植毛で100万円~200万円。
基本治療費はクリニックよっても違いがありますが、20万円~30万円が必要です。
基本治療費とグラフト費用では、120万円~230万円が、一般的な自毛植毛にかかる費用です。
またメスを使わないなど高度な術式になると、総額で400万円程度が必要な場合もあります。
施術内容 | 施術回数 | 月額 | 合計 |
---|---|---|---|
自毛植毛 (500グラフト) |
1回 | 6,667円 (10年間の場合) |
800,000円 |
AGA内服薬 | 10年間 | 8,000円 | 960,000円 |
クリニック名 | 初期費用 | 500グラフト | 1000グラフト |
---|---|---|---|
アイランドタワークリニック | 200,000円 | 600,000円 | 1,200,000円 |
湘南美容クリニック | 無料 | 490,000円 | 880,000円 |
クリニック名 | 無料相談 | 費用 | 症例数 | 全国展開 |
---|---|---|---|---|
アイランドタワークリニック | ◯ | △ | ◎ | ◯ |
湘南美容クリニック | ◯ | ◎ | △ | ◯ |
その他の薄毛治療にかかる費用もみていきましょう。
男性型脱毛症(AGA)の飲む治療薬として開発されたフィナステリドが2005年に病院で処方してもらえるようになりました。
フィナステリドは製品名で処方される場合の名前はプロペシアといいます。
フィナステリドの効果は、板見智『専門医が語る毛髪科学最前線』(集英社新書 2009年)によると、1年間の服用を続けた被験者の約5割に改善があり、3年間服用すると被験者の98パーセントでAGA進行が止まるという臨床試験の結果があります。
ただフィナステリドにも弱点はあります。
さて、本題のフィナステリド(プロペシア)にかかる費用について。
フィナステリドは、保険適用外の薬です。
また医師の診断を受けて、処方してもらう必要があるため、診察料も別途必要になります。
板見智『専門医が語る毛髪科学最前線』(集英社新書 2009年)によると、診察と薬では1ヶ月に1万円で、年間12万円がかかります。
40歳から70歳になるまでの35年間飲み続けると仮定すると、420万円が必要になる計算になります。
一般的な自毛植毛で120万円~230万円。
高度な術式の自毛植毛でも400万円です。
定着率90パーセント以上の自毛植毛に比べ、コストがかかるうえに、診察や服用などの手間など、コストパフォーマンスは劣ると考えていいでしょう。
薄毛の解消に効果があると認められているミノキシジル。
ミノキシジルを配合した商品で最も有名なのが、大正製薬のリアップです。
リアップは医師の処方がいらない一般医薬品です。
薬局で手軽に購入できるのがメリットです。
リアップにかかる費用はどの程度なのでしょう。
ミノキシジル5%が配合されているリアップX5プラスでみていきましょう。
リアップX5プラスの価格は、ドラッグストアにより差があります。
仮に、大正製薬が公式に発表している価格7,048円に消費税をプラスして7,611円としましょう。
大正製薬によると、リアップX5プラスは1回1mlを使用し、1日2回の頭部へ塗布します。
リアップX5プラスの内容量は60mlのため、1本で1ヶ月分ということになります。
1ヶ月で7,611円、1年で91,332円、40歳から70歳になるまでの35年間飲み続けると仮定すると、約320万円が必要になる計算になります。
一般的な自毛植毛で120万円~230万円。
高度な術式の自毛植毛でも400万円です。
効果は未知数で、購入や塗布などの毎日のわずらわしさを考えると、リアップX5プラスのコストフォーマンスは植毛よりも劣ると考えてよいでしょう。
発毛薬や発毛剤に比べて、コストを抑えながら高い増毛効果を期待できる植毛。
その植毛の中でもメンテナンスのわずらわしさがなく、自然な仕上がりになる自毛植毛は、薄毛対策の選択肢の中でも最有力の候補になります。
全国の自毛植毛ができる植毛クリニックの中から、おすすめの4つのクリニックを紹介していきます。
何か不安や診てもらいたいことがある度に、遠くにあるクリニックに行くのは時間がかかって大変です。
移動する費用も積もれば大きなコストとなります。
そんなときは、AGAスキンクリニックを利用してみてはいかがでしょうか?提携クリニックも含め、全国に49ものクリニックが展開されています。
AGAスキンクリニックの特徴は、まず展開規模の大きさ。
東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏はもちろん、北海道から沖縄まで、主要となる都市でクリニックを展開しています。
どのクリニックにおいても同様の治療を受けることができます。
また、AGAスキンクリニックの新宿アイランドタワー院での1回の植毛施術費用が50万円を超える方を対象に、施術当日の交通費を最大2万円まで負担してもらえるのも助かります。
地方に住む人にとってはアクセスしやすいクリニックです。
基本治療費.30万円 1グラフトあたり.1,000円 総費用帯.43.2万円~140万円(税込み)
私は様々なクリニックでカウンセリングをしてもらい、最終的にAGAスキンクリニックを選んだのですが、価格に関しては決して安いとも言えませんが、他と比べて高すぎるとも感じませんでした。
それに、発毛の量などを考えると、かなり適正な価格だと思います。
(もちろん発毛に個人差があるとは思いますが、私はとても満足しています) 個人的な意見になってしまいましたが、ご質問者様も様々なところで実際にカウンセリングを受けてみて決めるのが一番良いかと思います。
ちなみにAGAスキンクリニックでは、カウンセリングは無料でしたし、押し売りをするイメージはなかったので気軽に行ってみて、微妙かなと感じたら断ることもできると思います。
私は新宿中央クリニックに通っていますが、すぐ契約みたいな感じでは一切なかったし、話もわかりやすく親身になってくれたので安心できました。
いくつか相談に行ってここにしましたが、確かに強引に契約を急かす所や、ローン用紙みたいなものを書かせるようなところもありました。
画像は、やばくないと思います。
自毛植毛で髪の毛が生えてくることはわかった。
でも、「生えたと言えば生えたかな?」というような、ただ生えるだけでは困ります。
フサフサとしたボリューム感を出しながら、それでいて繊細で自然な仕上がりを求めるなら「アスカ井上クリニック」がおすすめです。
西武新宿駅から歩いて6分の場所にあるアスカ井上クリニックは、植毛における20年以上の豊富な経験と実績あります。
その特徴は「i-SAFE」という自毛植毛の技術。
I-SAFEとは、科学的根拠に基づいた美的センスが融合されて生まれたアスク井上クリニックの自毛植毛です。
一般的な自毛植毛は、後頭部や側頭部から皮膚を切り取るため、術後の腫れや痛みが多少あります。
しかしアスカ井上クリニックでは、i-SAFEという吸引する方法で皮膚を採取するため、快適な術後の経過が期待できます。
アスカ井上クリニックのi-SAFEの優位性は以下のようなものがあります。
基本治療費.18万5,000円 1グラフトあたり.980円 総費用帯. 105万円~359万円(税込み)
自分のように質問や要求が多い人は、適当に流されがちだが、井上先生の回答は的確で安心感もある。
話だけでも聞く価値十分だと思う。
出典:美容医療の口コミ広場
最初の麻酔の痛みだけで後は気にならなかった。
熟練したスタッフが多いおかげでとても安心して手術を受けることが出来ました。
出典: 美容医療の口コミ広場
「薄毛の範囲が広いのが気になるけれど、広範囲の自毛植毛は高い」「出来るだけコストを抑えたいけど、高い増毛効果を出したい」という方におすすめなのがTOMクリニックです。
東京新橋にあるTOMクリニックでは、ARTASという自毛植毛における最先端医療ロボットを導入し、精度の高い皮膚の採取と植毛を行います。
メスを使用しないため、皮膚を傷つけることなく、術後の負担が軽減されて早い回復が期待できます。
そして何と言っても、1グラフトあたりの費用が安いのが最大の特徴です。
2,000グラフトを植毛する場合、一般的には、1グラフトあたり1,000円が必要ですが、TOMクリニックは1グラフトあたり480円です。
他のクリニックよりも50%以上のコストダウンが可能です。
基本治療費.30万円 1グラフトあたり. 480円(2,000グラフト時) 総費用帯. 36.7万円~215万円(税込み)
業界的に疑いたくなる気持ちはわかりますが、何も問題ありません。
実際にAGA治療で通っていますが、対応も効果もすごくいいです。
ただ私はプロペシアとミノキシジル錠剤を使った治療だったのですが、新橋にあるTOMクリニックさんはとても良かったです。
TOMさんは植毛もされていますが、私はその当時は植毛を考えたいなかったので、通常のAGA治療を行いましたが、スタッフやドクターの対応などは丁寧でかなり好印象でした。
一度カウンセリングでお話を聞いてみると良いと思います。
AGA(男性型脱毛症)専門のクリニックで、知識も豊富で技術も確かで実績もあります。
ドクターがとても良くて、ここに通えば必ず良くなると思える場所です。
無料で45分くらいのカウンセリングもやってもらえるのでまずは行かれてみてはいかがでしょうか。
親和クリニックは、「植毛を短時間で済ませたい」「植毛した後の手厚いケアも重視したい」という方におすすめの植毛クリニックです。
熟練の植毛技術を持つ医師とスタッフによるチーム医療で、「世界トップレベル」の最短時間で植毛治療を受けることができます。
東京、名古屋、大阪、福岡にある親和クリニックに展開する親和クリニックは、総院長の音田氏をはじめとし、過去4,600症例にも上る患者をみてきたスペシャリストが揃っています。
「最少の傷・痛み」・「最速の植毛技術」・「最適なスタイル実現」のために、親和クリニック独自の自毛植毛治療「MIRAI法」を開発し、圧倒的なスピードで大量と高密度な植毛を行います。
また、術後のアフターケアも充実しており、術後翌日に専任の美容師やスタッフによる洗髪ケアを受けることができるのも親和クリニックの特徴です。
基本治療費.20万円 1グラフトあたり.1,000円(2,000グラフト時) 総費用帯.150万円~300万円(税込み)
植毛に詳しい友人だったので間違いないと思ってましたが、期待通り良いクリニックでした。
カウンセリングをしてくれたスタッフの方が実際に植毛経験者で、施術前、施術後、現状を説明して下さり、自然で違和感がないもので安心しました。
併せて、症例数が多く安心できるクリニックだったことと、髪型を変えることなく施術ができるため、すぐに仕事に戻れることが決め手になりました。
時期を考えれば、まだそれほど名前は知られていないと思いますが、親和クリニックは自毛植毛の技術に優れたクリニックです。
最近になってようやく全ての髪が完全に生え揃ったという感じですが、かなり髪にボリュームがあるようになりました。
そして髪の生え方や生え際が自然であり、髪が全体的にまとまっています。
対応についてですが、カウンセリングから手術、アフターケアまで万全と言ってよいです。
とくに自毛植毛を終えたあとでも、いつでも相談に乗ってくれました。
東京都心に近いですから、交通の便も良いです。
薄毛対策といえば、医薬品や発毛剤というのが一般的で、すぐに植毛という発想が出てこないのが一般的です。
その理由は、人工の毛を埋め込むという一昔前のイメージや費用が高いという印象があるからではないでしょうか?
毛髪科学は格段に進んでおり、自毛植毛によって他の髪と同じように、定着すれば生涯にわたって成長や生え変わりが続きます。
また、人工毛と比べ自然な仕上がりになり、メンテナンスの必要もないため、以前と同じ生活ができます。
さらにクリニックのサービスはどうでしょう。
日々サービスやケアの充実度は向上し、術後も安心して仕事、スポーツ、恋愛などを楽しむことができるでしょう。
コストの面も植毛の印象が大きく変わったのではないでしょうか。
植毛は決して安いものではありませんが、発毛薬や発毛剤と比較しても、長い目で見ればコストが安く、そのうえ効果が高いことがお分かりいただけたかと思います。
植毛は薄毛対策の最後の砦と言われる理由は、従来のイメージや印象があり、発毛薬や育毛剤で効果がない方が最後に頼る薄毛対策だからです。
早い時期に植毛という選択肢をもっておくことで、薄毛に悩む時間とコストを少しでも減らすことも可能になるのではないでしょうか。
薄毛に悩まれているのであれば、植毛を選択肢のひとつにいれて、クリニックで相談されることをおすすめします。