薄毛が気になると医療機関の診察を受けたり、個人輸入でAGA(男性型脱毛症)の治療薬を購入して使ってみたりと、色々な対策を講じ始めるケースが多いことでしょう。
最近では、薄毛を早く解消しようと植毛手術を決断する人も増えてきています。
一口に植毛といっても人工毛を植毛する方法と、自分自身の髪の毛を植毛する方法とがあります。
この記事では、人工毛植毛と自毛植毛についてそれぞれ見ていきます。
人工毛とは、ナイロンやポリエステルといった合成繊維によって作られた毛のことを指します。
人工毛植毛では、この人工毛を頭皮に植えていきます。
人工毛植毛のデメリットは、人工毛そのものは作られた毛なのでどれだけ頭皮に定着したとしても、植毛してから自然に伸びるということはありません。
つまり、自分の髪の毛が伸びるにつれて不自然さが生じます。
また、人工毛は合成繊維であり、本来は体にないものです。
つまり、体の免疫機能は人工毛を『異物』として認識してしまい、人工毛を頭皮に植毛したとしても体外に出そうとします。
人工毛が定着せずに抜けてしまった場合には、その場所に改めて手術をして人工毛を植えなければなりません。
手術を繰り返すことで、頭皮がダメージを受ける可能性もありますし、植毛の手術費用もかさみます。
さらに自毛でも起きる『切れ毛』が人工毛でも起きます。
例えば、人工毛の付け根部分から切れて頭皮の中に人工毛の根元部分が残ってしまうと、その部分から細菌が入り込んで化膿やただれといったひどい炎症を起こす場合もあります。
自毛植毛をする場合、移植をしてから髪の毛が生えてくるまで3カ月ほどの期間が必要です。
つまり、その期間は自毛植毛をした部分と、元々あった自分の髪の毛との部分との差が激しく、見た目としてもあまりよいとは言えない状態が続きます。
しかし人工毛植毛であれば、すでに伸びた状態となっている人工毛を移植するわけですので、移植手術が終わった瞬間からフサフサとした髪の毛を手に入れることが出来るのです。
また、自毛植毛をする場合は、後頭部から髪の毛のついた頭皮そのものを外科手術で取ってくるという手術方法になります。
そのため、1度に多くの髪の毛を移植しようとすると、後頭部にできる手術の傷がどんどん大きくなってしまうということもあり、1回で移植できる髪の毛の量には限界があります。
しかし、人工毛植毛であれば、すでに出来上がっている人工毛を植えていくわけですから、自毛植毛の時のように1回に植毛できる髪の毛の量の制限を気にすることなく植毛することができます。
つまり、1度の手術で自分の理想とする髪型を作り上げることも可能なのです。
自毛植毛とは、後頭部や側頭部などのAGAの影響を受けずに髪の毛が残っている部分から、気になる部分に自分の髪の毛を植毛するという方法です。
自毛植毛をすると、まず移植された髪の毛が一度抜け落ちます。
移植後の頭皮に定着すると、3か月くらいの期間をかけて徐々に髪の毛が生えてきます。
つまり、自毛植毛の手術から植毛後に自分の髪が生え揃うまで、半年程は見積もっておく必要があります。
また、自分の髪の毛を移植するということで、移植するために傷つけた頭皮には傷跡がどうしても残ってしまいます。
移植するために採取する自分の髪の毛の本数を少なくしたり、採取箇所を細かく縫合したりすることで、髪の毛を長めに保つことが出来れば傷も目立ちませんが、短髪姿が好きだったり、髪の毛を洗った後などは傷跡が目立ってしまいます。
人工毛植毛の場合、人によっては植毛した量の半数が免疫機能の働きによって抜けてしまうというケースがありますが、自毛植毛の場合は定着率が非常に高いというメリットがあります。
2010年に日本皮膚科学会がまとめたガイドラインである『AGA診療ガイドライン』には、自毛植毛による定着率は82.5%以上だとする文献の存在が記されています。
また、自毛植毛で移植するのは毛根のある自分の髪の毛です。
そのため定着をすれば他の髪の毛と同様に伸びていきます。
つまり定着すれば伸びない人工毛と比較しても、自毛植毛の方が見た目が自然です。
人工毛植毛 | 自毛植毛 | |
1回に植毛できる毛量 | 多い | 少ない |
植毛後の定着率 | 低い | 高い |
移植後の髪型変更 | 短くすることのみ可能 | 自由自在 |
頭皮の傷 | ほぼゼロ | 生じる |
植毛を実感できるまでの期間 | 手術後すぐ | 半年程 |
手術回数 | 多くなることもある | 1回で定着することもある |
参考:M字はげ植毛の効果と費用はどれくらい?対策方法と各費用について解説
人工毛植毛・自毛植毛どちらも、脱毛した部分に髪の毛を生やせる可能性が高い方法です。
そのため、AGA改善を望む人はもちろんのこと、火傷などの怪我で脱毛した人にも効果的です。
特に、日本皮膚科学会が2010年にまとめた『AGA診療ガイドライン』において、自毛植毛はフィナステリドやミノキシジルといったAGA治療薬に次いで治療効果が期待できると記されています。
紀尾井町クリニックではNHT式、ウェルネスクリニックではPNH植毛と呼ばれています。
AGA治療の先進国であるアメリカの他、日本でもFUT法を用いるクリニックが多くあります。
移植した髪の毛の定着率は高いものの、髪の毛を採取する際に傷が残る他、1本ずつ植毛する方法であるため、医師の技術力が必要です。
毛包単位で株(グラフト)を分けていくFUT法とは異なり、マイクログラフト植毛では、毛髪本数を1単位として、植毛をします。
特殊な針を使用し、手術の痕跡が残りにくいことから、分け目など目立つ箇所への植毛に採用されている。
FUT法とは異なり、メスを使わず、毛穴を売り抜いて移植をする髪の毛を採取する方法がFUE法です。
アイランドタワークリニックではi-direct法と呼ばれています。
メスを使わないということで縫合による大きな傷跡を気にする必要はありませんが、毛穴を切り抜く際に毛根を切断してしまう可能性も高く、医師の技術力が求められます。
採取をした髪の毛を専用の針を使って、移植をしたい場所に穴をあけて植え込んでいくという方法です。
ニードル式と呼ばれたり、スキンクリニックではChoi式と呼ばれたりしています。
傷が残りにくく、自然な仕上がりになりやすい一方、他の植毛方法とは異なり、時間がかかります。
最後にに植毛を行っている主なクリニックの価格を比較してみましたのでぜひ参考にしてみてください。
施術内容 | 施術回数 | 月額 | 合計 |
---|---|---|---|
自毛植毛 (500グラフト) |
1回 | 6,667円 (10年間の場合) |
800,000円 |
AGA内服薬 | 10年間 | 8,000円 | 960,000円 |
クリニック名 | 初期費用 | 500グラフト | 1000グラフト |
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アイランドタワークリニック | 200,000円 | 600,000円 | 1,200,000円 |
湘南美容クリニック | 無料 | 490,000円 | 880,000円 |
クリニック名 | 無料相談 | 費用 | 症例数 | 全国展開 |
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アイランドタワークリニック | ◯ | △ | ◎ | ◯ |
湘南美容クリニック | ◯ | ◎ | △ | ◯ |