「ハゲは遺伝だから仕方がない」「どうせ治らないからあきらめている」そんな方、いらっしゃいませんでしょうか。
現在、ハゲは専門の病院やクリニックで治療できる時代となっています。
また、実際に治療をおこなったことで、ハゲの改善が見られている人もいます。
今回は、ハゲが治るのかどうか、そして治るとしたらどのような治療をおこなえばよいのかについて、解説していきたいと思います。
薄毛の人にとって、「ハゲ」という言葉は本当にイヤなものです。
誰もハゲたくてハゲているわけではありませんし、自分でも分かっていることを人からとやかくいわれるのはとても不愉快ですよね。
そんなハゲを治すことができるのであれば、どれほどよいことでしょう。
ただ、適切な治療によって、ハゲが治る、もしくは改善するようなケースもあるようです。
まずは、ハゲが改善した芸能人について見ていきましょう。
一口にハゲと言ってもいろいろな種類があるのですが、ハゲで悩んでいる男性のほとんどが、男性型脱毛症(AGA)と呼ばれるタイプの薄毛です。
男性型脱毛症については後ほど詳しく解説しますが、治療が早ければ早いほど、改善効果も高いとされています。
できれば明らかなハゲになる前に、なんらかの対策を講じたいものです。
先ほども少しふれましたが、ハゲにもいろいろな種類があります。
そのため、ハゲを治したいのであれば、自分がどのタイプのハゲなのかを知る必要があります。
以下に、男性にみられる代表的なハゲのタイプを3つ紹介したいと思います。
男性型脱毛症はAGA(Androgenetic Alopecia)ともよばれており、日本皮膚科学会の策定した男性型脱毛症治療ガイドラインによると、「思春期以降に発症し、徐々に進行する」タイプの脱毛症だということです。
先にあげた薄毛を改善した芸能人の方たちも、男性型脱毛症であったということです。
男性型脱毛症になる原因は実にさまざまで、生活習慣や食習慣、運動不足や血行不良、頭皮環境の悪化など、さまざまなことがあげられています。
男性にみられるハゲは遺伝が原因だと考えられがちですが、実際に男性型脱毛症を発症する人の4人に3人は、遺伝以外のことが要因となって男性型脱毛症を発症しているということです。
男性型脱毛症の治療法は、おもに投薬療法と生活習慣の改善がベースとなります。
男性型脱毛症には、厚生労働省によって発毛効果の認められた有効成分を含む治療薬があります。
内服タイプの治療薬としては、フィナステリドを有効成分として配合したプロペシアやそのジェネリック(後発医薬品)、デュタステリドを有効成分として配合したザガーロなどがよく知られています。
フィナステリドとデュタステリド以外には、ミノキシジルと呼ばれる成分も、発毛効果があるとして厚生労働省によって認可されています。
ただ、ミノキシジルに関しては、塗り薬タイプの発毛剤だけが認められています。
代表的なミノキシジル配合の発毛剤としては、大正製薬の発売しているリアップシリーズがよく知られています。
ミノキシジルにも内服タイプのタブレットがあるのですが、国内では正式に認可されていません。
フィナステリドとデュタステリドには、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンの生成にかかわる、5α-リダクターゼの分泌を抑制する働きがあります。
それによって抜け毛を防ぎ、発毛を促進することとなるのです。
ミノキシジルには、血管を拡張して、血液の循環をよくする働きがあります。
血液には酸素と栄養を全身に運ぶ働きがあり、血液の循環がよくなれば、栄養状態が改善することとなります。
ミノキシジルを頭皮に塗布することで頭皮環境の改善が見られれば、髪の毛の生えてくる土壌が豊かになります。
その結果として、発毛を促進することが可能となるわけです。
ちなみに、男性型脱毛症の治療現場では、フィナステリドとミノキシジル、デュタステリドとミノキシジルを併用することで、発毛効果をさらに高めているようです。
クリニック名 | 対応地域 | 費用/月 |
---|---|---|
全国展開 | AGAスキンクリニック | 6,000円〜 3,400円※〜 |
東京 | 新宿メディカルクリニック | 4,320円〜 |
大阪 | 脇坂クリニック | 6,000円 |
※初回価格
脂漏性脱毛症は、頭皮に脂漏性皮膚炎を発症した場合にみられる脱毛症で、一般的には脂漏性皮膚炎から移行して、脱毛症を発症するものとされています。
脂漏性脱毛症は脂漏性皮膚炎より移行して発症するということでしたが、脂漏性皮膚炎になる原因は、ストレスや生活習慣、環境的要因など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられてきました。
ところが近年になって、脂漏性皮膚炎を発症するリスクファクター(危険因子)として、マラセチアの存在が浮かび上がってきたのです。
マラセチアは真菌(カビ)の一種で、皮膚の常在菌として知られています。
人間の皮膚にはたくさんの常在菌が存在しており、その存在によって外部の刺激から肌を守ってくれています。
ところが、免疫力の低下などが原因で常在菌のバランスが崩れることによって、逆に肌や身体を攻撃し始めるのです。
マラセチアは皮脂をエサとして成長、繁殖するため、皮脂の分泌量の多い人が脂漏性皮膚炎を発症しやすいとされています。
頭皮に脂漏性皮膚炎を発症すると、頭皮に炎症やかぶれなどが生じ、結果として脂漏性脱毛症を招いてしまうという訳なのです。
脂漏性脱毛症の原因となる脂漏性皮膚炎の治療は、基本的にステロイド製剤を用いておこなうこととなります。
頭皮に脂漏性皮膚炎が認めれらる場合には、軟膏ではなくローションタイプの外用薬を用いることとなります。
とはいうものの、ステロイドには副作用があることから、長期間にわたって用いるようなことは避けるべきだとされています。
そのため、症状に改善が見られれば、ステロイド製剤の使用も控えることとなります。
ステロイド製剤より効果は弱いのですが、抗真菌薬を用いて治療をおこなうこともあります。
なぜなら、脂漏性皮膚炎の原因の1つとして、マラセチアという真菌の存在があげられているからです。
ただ、脂漏性皮膚炎のやっかいなところは、いったん症状が緩和しても、再発してしまうケースがまま見られるという点にあります。
そのため、脂漏性皮膚炎を予防することも重要となります。
脂漏性皮膚炎を予防するためにはまず、生活習慣を見直すことが重要となります。
規則正しい生活やバランスのとれた食事によって、大部分の脂漏性皮膚炎は予防することが可能だとされています。
円形脱毛症も、代表的な脱毛症の1つです。
円形脱毛症は別名を「10円ハゲ」ともよばれており、ストレスが原因で発症すると考えられている方も多いと思います。
実は、円形脱毛症の原因は、ストレスではなかったのです。
円形脱毛症というと、ストレスによって発症すると考えられがちですが、医療の現場では「自己免疫疾患」であるという風に捉えられています。
私たちの身体には、外敵から身体を守る働きが備わっています。
その働きのことを免疫とか、免疫機能と呼んでいます。
外敵とは、ウィルスや細菌など、外部からの異物を指します。
体内に異物が入ってくると、白血球がその異物を攻撃して排除しようとします。
ところが、免疫系の異常がある場合、異物を攻撃するはずの白血球が、自分の身体の細胞を攻撃してしまうのです。
円形脱毛症の場合は、白血球の中でもリンパ球と呼ばれるものが、自分の毛包部を攻撃することによって、抜け毛を生じてしまうことが分かっています。
ただ、なぜリンパ球によって毛包部の攻撃が起こるのか、その詳しいメカニズムまでは分かっていないということです。
円形脱毛症の治療法はいくつかありますが、ステロイド製の外用薬を用いるというのが一般的な治療法となっています。
1日に2回患部に塗布することで、治療効果が得られるとされています。
また、円形脱毛症は自己免疫疾患であることから、局所免疫療法という治療法がとられることもあります。
症状の進行した円形脱毛症に対しておこなわれることがあるということです。
他にも、液体窒素を用いた冷却療法や、特殊なレーザーを用いたレーザー治療、局所ステロイド注射など、症状の程度や進行状況に応じたさまざまな治療法がおこなわれています。
種類 | 原因 | 特徴 | 治療法 |
男性型脱毛症 | 遺伝、ホルモンバランスの乱れ、生活習慣 | 局所がはげ上がる | AGA治療薬 |
脂漏性脱毛症 | マラセチア、環境的要因、ストレス | かゆみや炎症をともなう抜け毛 | ステロイド外用薬 |
円形脱毛症 | 自己免疫疾患 | 硬化大のハゲが複数みられるなど | ステロイド外用薬や光線療法など |
以上、見てきましたように、一口に脱毛症と言っても、さまざまなタイプの脱毛症のあることが分かりました。
また、その原因も遺伝や生活習慣、頭皮環境の悪化など多岐にわたっています。
そのため、脱毛症の原因にあった対策を講じることが重要となります。
男性型脱毛症は、思春期以降の男性にみられる脱毛症であり、徐々に進行するという特徴があります。
ということは、早めに手を打っておくことで、進行を遅らせたり、予防をしたりすることが可能となるわけです。
男性型脱毛症の進行を遅らせたり予防したりする際には、育毛剤を利用するという手があります。
育毛剤は男性型脱毛症の治療薬ほどの発毛効果はありませんが、天然由来の成分からできているため、男性型脱毛症の治療薬と比較した場合、副作用のリスクが低いというメリットがあります。
育毛剤には、頭皮環境を改善したり、血行を促進したり、抜け毛の原因物質の分泌を抑えたりといった働きのあるさまざまな有効成分が含まれています。
それによって、良好な頭皮環境を保ち、髪の毛の健全な成長が保たれるという訳なのです。
男性型脱毛症の原因の1つに、頭皮環境の悪化があげられます。
そして、頭皮環境が悪化する要因として、誤ったヘアケアがあげられるのです。
誤ったヘアケアとは、単に頭を不潔にしているようなことだけでなく、髪の毛の洗いすぎや洗浄力の強いシャンプーを用いた洗髪、不適切な髪の毛の洗い方なども含まれています。
中でも、市販のシャンプーを用いた洗髪によって、頭皮環境の悪化しているケースがよくみられます。
なぜなら、市販のシャンプーには界面活性剤など、頭皮にとって有害な成分が含まれているからです。
また、洗浄力の強いシャンプーで洗髪すると、頭皮を守ってくれる働きのある皮脂を根こそぎ洗い流してしまうこととなります。
それによってかえって皮脂の分泌が盛んになり、結果として脂漏性脱毛症を招いてしまうケースもあります。
男性型脱毛症や脂漏性脱毛症の予防をしたいのであれば、髪の毛や頭皮に対する刺激の少ない、育毛用のシャンプーを利用するとよいでしょう。
円形脱毛症は、程度によっては自然に治ってしまいますが、やはり自己判断をせずに、まずは専門医のいるクリニックや病院を受診することが大事です。
また、男性型脱毛症がある程度進行してしまった場合や、脂漏性皮膚炎がみられるような場合も、男性型脱毛症を専門とするクリニックや、皮膚科などを受診することが重要です。
円形脱毛症はともかく、男性型脱毛症や脂漏性脱毛症は、生活習慣の乱れによって発症するリスクの高くなることが分かっています。
では、どのように生活習慣を改善するとよいのでしょうか。
生活習慣の改善法としては、早寝早起きがもっとも簡単な手段です。
私たちの体内では、睡眠中に成長ホルモンが分泌され、細胞の分裂が活発に起こります。
それによって、髪の毛も成長するわけです。
そのため、睡眠不足になると髪の成長を阻害してしまうのです。
また、睡眠不足の状態が続くと、身体の免疫力が低下することにもつながります。
それによって、常在菌のバランスが乱れて脂漏性脱毛症を発症するリスクが高まってしまいます。
朝早く起きて朝日を浴びることによって、体内時計がリセットされます。
そうすると夜、自然に眠気が訪れることとなり、生活にリズムがもたらされるようになります。
適度な運動も、頭皮環境を改善するのに有効です。
ゼエゼエハアハアするほどの運動でなくて構わないので、普段から少し歩くようにするとか、休みの日に出掛けるようにするとよいでしょう。
運動すると全身の血液循環がよくなります。
頭皮への血液循環がよくなれば、頭皮環境を改善することにもつながります。
また、運動をすることで睡眠の質を高めたり、ストレスを解消したりすることも可能となります。
ハゲが治るのか、また実際に治った芸能人などについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。
一口にハゲと言ってもいろんなタイプのハゲがあること、また、その原因も遺伝をはじめ、生活習慣や血行不良、頭皮環境の悪化や免疫異常などさまざまなことがあげられていました。
なによりも重要なのは、自分がどのタイプのハゲなのかを知ることです。
そのうえで、早めに専門医の診察を受けることで、ハゲを治すことが可能となります。
もちろん、治療だけでなく生活習慣を見直すことも重要となりますよ。