植毛は失敗することがあるのか、どのような結果になるのか見ていきます。
植毛というのは、簡単に言えば毛髪を直接頭皮に埋め込んでいく治療法です。
ただし、手術法や使用する毛髪の種類などによって特徴が大きく異なってきます。
こちらでは、植毛手術の概要やその種類、どこの医療機関で受けられるのか、手術費はどれくらいかかるのかなど、植毛に関して多くの人が疑問に思っていることについてご紹介していきます。
植毛手術は、大まかに言って自毛植毛と人工毛植毛に分けられています。
自毛植毛の場合には、自分の髪の毛を移植する手術になりますので、拒絶反応などの心配がありません。
また、定着すれば普通の髪の毛のように発毛、成長、抜け落ちるというサイクルを繰り返すようになり、アフターケアの必要もなくなります。
AGAの場合には、頭部全体ではなく抜けやすい箇所がある程度定まっているという特徴があることから、抜けにくい傾向のある個所からの髪の毛を頭皮ごと移植することで、今後薄毛の症状を改善できる可能性もあります。
自毛植毛の手術は、まず、患者さんの頭部から頭皮と毛髪を採取します。
そして、それを移植する場所に植え込んでいくという二段階の作業になります。
グラフト(頭皮及び毛髪)を採取する方法はいくつかありますが、従来のメスを使ってまとまった範囲を切り取る方法から、毛根のある部分のみを1mm程度の範囲で採取していく方法が主流になっています。
そのため、以前に比べると頭皮への負担はかなり軽減されています。
採取した個所及び移植した個所のいずれもしばらくは痛みや出血などがありますので、医師の指示に従って無理のない生活を心がけます。
一方、人工毛植毛は、移植できるほど毛髪がない場合に用いられる方法です。
ポリエステル、ナイロンなどの人工的に作られた素材による毛髪を頭皮に埋め込みますので、拒絶反応が起きやすく、いずれ人工毛が傷んだり抜け落ちたりして定期的なメンテナンスが必要です。
人によっては頭皮が延焼することもあり、アメリカでは法律で禁止されている手術です。
日本では、自毛の移植が難しい時に選択できるようになっています。
こちらは髪の毛を採取する工程がないため手術の負担は軽減されるものの、抜け落ちて不足した毛髪をその都度補わなければならなくなるため、定期的に手術を受けなければなりません。
植毛は、外科手術の一種であるため設備の整った医療機関でのみ受けられます。
一般的な外科や皮膚科では設備がないため、薄毛専門のクリニックや植毛専門のクリニックに限定されます。
薄毛専門のクリニックでは、植毛以外にもAGAの改善に効果的といわれている内服薬や外用薬を処方したり、発毛因子を注射などで頭皮に注射したりする治療法が受けられます。
幅広い種類の治療を試してみたいという人、植毛手術を終えた後で、薄毛が再発しないように他の治療も受けてみたいと考えている人などにはこちらがお勧めです。
一方、植毛専門のクリニックは、手術の症例が豊富で実績があり、成功率の高さが期待できるというメリットがあります。
植毛は受ければ必ず抜け毛が改善するというものではなく、時としてトラブルが発生するリスクも考慮しなければなりません。
そのため、少しでも安心して治療を受けたいと考えている人にはこちらがお勧めです。
薄毛専門のクリニックのように治療の選択肢が幅広いわけではありませんが、手術後の薄毛の進行を抑えるための投薬など、ある程度の対処はこちらでも受けることができます。
自毛植毛の手術は、薄毛治療の中でも高額な部類に入ります。
専門の機器類を使用し、時間をかけて細かい手作業による手術を行う必要があるため、どのクリニックを選んだとしても格段に安くなることはありません。
計算方法はクリニックによって異なりますが、通常は手術や診察、検査のための基本料金に加え、植毛するグラフトの数によって変動するようになっています。
つまり、薄毛になっている範囲が狭く、多くのグラフトを移植する必要がなければ数十万円程度で済みますし、広範囲にわたって移植が必要な場合には100万円を超えることもあります。
なお、広範囲の植毛を行う場合、頭皮への負担が大きくなりますので、一回の手術ですべてを行うことができません。
この場合、数回に分けて手術を行う必要があり、さらに費用が高額になります。
一般的な相場としては、80~120万円程度の範囲で手術を受ける患者さんが多いです。
人工毛植毛は、希望のヘアスタイルにするための手術の回数が一回で済みます。
また、グラフト採取という作業を省略できるため、費用面でも自毛植毛よりは安い傾向にあり、50~70万円程度が相場といわれています。
ただし、時間の経過とともに徐々に人工毛は抜けていきますので、薄毛が目立つようになったら再手術を受けなければなりません。
この時の診察や検査、手術代は別料金となり、長い期間で見れば自毛植毛よりも高額になるケースも見られます。
代表的なクリニックの植毛の相場はこちらです。
↓
施術内容 | 施術回数 | 月額 | 合計 |
---|---|---|---|
自毛植毛 (500グラフト) |
1回 | 6,667円 (10年間の場合) |
800,000円 |
AGA内服薬 | 10年間 | 8,000円 | 960,000円 |
クリニック名 | 初期費用 | 500グラフト | 1000グラフト |
---|---|---|---|
アイランドタワークリニック | 200,000円 | 600,000円 | 1,200,000円 |
湘南美容クリニック | 無料 | 490,000円 | 880,000円 |
クリニック名 | 無料相談 | 費用 | 症例数 | 全国展開 |
---|---|---|---|---|
アイランドタワークリニック | ◯ | △ | ◎ | ◯ |
湘南美容クリニック | ◯ | ◎ | △ | ◯ |
植毛手術は成功・失敗がわかりにくく、結果が出るまでに1年弱の期間が必要ということもあり、不安に感じている人も少なくありません。
そこで、こちらでは植毛手術に関する失敗例をいくつかご紹介していきます。
植毛の成功、失敗は、手術直後のトラブルの有無、最終目的である毛髪の定着がうまくいっているかによって判断します。
術後には様々な変化が見られますので、気になったときには手術を受けた医療機関に問い合わせましょう。
こちらでは、判断の目安となる術後の変化を見ていきます。
自毛植毛の場合には、今後薄毛のケアをせずに自分の髪の毛を増やすことができるという点が大きな魅力となっています。
そのため、髪の毛が定着しなかったという結果に終わるのが最もがっかりする失敗であるといえるでしょう。
自毛植毛の手術後の経緯としては、まず、術後数週間程度はそのまま髪の毛が伸びますが、およそ1カ月が経過するころには移植した部分の髪の毛が徐々に抜けていき、術前とあまり変わらない状態になります。
ですが、ここではまだ成功か失敗かはわかりません。
2~3カ月ほど経過すると、定着した場合には産毛が生え始めてきます。
順調にこの髪の毛が育てば、5~6カ月程度で健康で抜けにくい髪の毛に成長します。
この期間には個人差がありますが、術後10カ月~1年経過しても移植したところからの髪の毛がほとんど認められない場合には、定着しなかったと判断せざるを得ません。
無事に定着すると、髪の毛は本来のヘアサイクルに従って抜けては生え、成長するようになりますので、今まで通りの手入れをして、通院もせずに済みます。
術後の不安は多かれ少なかれほとんどの患者さんに見られますが度を超えていると思われるような激しい痛みや炎症が認められるときには、衛生管理や術後のケアが不十分であった可能性があります。
すぐにクリニックに相談しましょう。
痛みに関しては、手術中は麻酔を用いるため無痛です。
術後も、負担の少ない方法を適切に行えば、激しい痛みに襲われることはまずありません。
ただし、頭皮がつっぱったような感触、軽度な痛みなどは感じることもありますので、ほとんどのクリニックで予防的に痛み止めが処方されます。
傷に関しては、移植した個所は術後3~4日程度赤いかさぶたが認められます。
順調に回復すれば一週間程度で暗い色に変化して、10日も過ぎれば剥がれ落ちて綺麗な頭皮に戻ります。
移植技術が不十分だった場合には、移植した部分の頭皮がくぼむこともありますが、痛みなどがなければ特に問題はありません。
グラフトを採取した部分は採取方法にもよりますが、細い線状の傷ができます。
髪の毛が数cmあれば隠せる程度の小さい傷ですが、極端に短いヘアスタイルやスキンヘッドにするとはっきりわかる程度には残ります。
手術に失敗した時は、傷跡が大きくて隠しきれなかったり、傷口に炎症による赤みや膿、痛みなどが生じたりします。
植毛による定着が認められたにもかかわらず、抜け毛がさらに進行することがあります。
これは、他の原因による薄毛の症状であったり、直接的な原因がまだ改善されていなかったりするときに認められます。
植毛で薄毛の部分が目立たなくなったとはいえ、頭皮や髪の毛に負担のかかる生活習慣やヘアケアを続けていては、他の部分からの薄毛に悩まされることもあります。
投薬は頭皮などに負担のかからないケア方法で、せっかく根付いた自分の髪の毛を大切に育てていきましょう。
植毛は、もともとの部位とは全く異なる場所に頭皮ごと髪の毛を移植しますので、これまでとは髪質や癖が違う髪の毛が生えてくることも珍しくありません。
部分によって髪質の違いが大きい人の場合、移植後に今までと同じようにヘアセットをしようとしても、うまくまとまらないことがあります。
これはある程度仕方のないことですので、ヘアケア商品や新しいヘアスタイルを試すなど、自分で妥協案を見つけましょう。
実績豊富なクリニックでは、このような髪の癖まで考慮して移植のプランを立てていきますので、失敗が少ない傾向にあります。
植毛の結果は、必ずしも運が悪かったからとは限りません。
こちらでは、失敗の確立を減らすために、手術に失敗するときの主な原因や対策について見ていきます。
手術自体がうまくいったとしても、その後頭皮や髪の毛に負担のかかる生活をしていては、成功するものも成功しません。
例えば、手術後のシャンプーは、手術の翌日の夜から可能となっています。
ですが、刺激の強いシャンプーを使う、強い力でごしごし洗う、頭皮が乾燥するほどドライヤーを当て続けるなどの負担の大きい洗髪をしていては、髪の毛が定着しづらくなります。
日頃の生活としては、極端に血流が活発になるような行為、逆に血行を阻害するような行為は避ける必要があります。
例えば、手術前後それぞれ2~3週間程度は血流が悪化する喫煙を避けて、定着率を高めます。
また、過度の飲酒や激しいスポーツなども同程度の期間控えます。
直射日光も傷口の回復が遅れ、定着率悪化の要因となりますが、かつらや帽子で頭皮が蒸れる状態も良いとは言えません。
自分のライフスタイルを伝えたうえで、医師に対応を確認することをおすすめします。
滅多にないことですが、経験の浅い医師が手術を手掛けた場合、スタッフとの連携が十分にとれていなかった場合など、クリニック側の問題で手術が失敗することがあります。
例えば、切開によるグラフト採取の場合、上手に採取できなかった場合には傷口が大きく目立ったり、術後のつっぱり感や違和感が長続きしたりすることがあります。
また、髪質を考慮したグラフト採取をしなければ、ヘアスタイルがまとまらないケースも見られます。
現在では患者さんに負担の少ない設備を用いた手術が主流になっていることもあり、重篤なトラブルはほとんど見られませんが、頭皮の状態や髪質、定着率などを考えた場合、やはり安心して任せられる経験豊富なクリニックを選ぶことをおすすめします。
また、定着率の問題としては、自毛植毛では採取したグラフトの管理や手術スピードが重要になってきます。
採取したグラフトは、乾燥させずに生体に近い状態で保存し、すぐに移植したほうが定着率がアップします。
未熟な医師が最新式の機器を使って手術をしたとしても、十分な管理ができなかった、あるいは移植スピードが遅かったなどの理由から、定着率が伸び悩んだというケースもあります。
これらはそのクリニックを実際に利用した人のレビュー、過去の実績などを調べればある程度判断ができますので、事前に利用する予定のクリニックについてしっかり調べておきましょう。
無事にグラフトが定着したにもかかわらず薄毛が進行している場合には、根本的な原因の改善を考える必要があります。
薄毛の理由は人それぞれですが、男性ホルモンの分泌過多が原因といわれているAGAを発症している時には、男性ホルモンの量を調整するプロペシアなどの内服薬、ミノキシジルなどの外用薬を使用することで薄毛の進行をかなりの確率で抑制できます。
頭皮の状態を見て、乾燥しすぎている、皮脂の分泌が多すぎてべたついている場合は、頭皮の水分不足が原因と考えられますので、保湿効果のある頭皮向けのローションや低刺激のヘアケア製品を使います。
薄毛の部分を隠すために長髪にしている人もいますが、髪の毛の重さで頭皮に負担をかけていることもあります。
術後の傷が目立たない程度に短髪にするのもよいでしょう。
このように、抜け毛の原因は一つではありませんし、場合によっては複数の原因から薄毛になっていることもあります。
手術後に思ったように改善しなかった場合には、一度クリニックで相談してみましょう。
予防という意味でも、頭皮や髪に良い生活習慣は大切です。
手術前に検査は行うものの、結果的に体質が合わず、術後の痛みやかぶれなどの悩まされる人もわずかにいます。
個人差がありますし、外科手術である以上100%安全とは言い切れませんが、これまでに病気の治療や怪我の手術などでトラブルがあった人は事前に申告しておきましょう。
また、体に負担の少ない方法を選ぶことでもこのようなリスクを軽減することができます。
植毛の定着率とは、移植したグラフト数に対し、発毛した量で算出します。
定着率が一定の割合を超える患者さんの数が多い場合には、植毛の成功率が高いとも言えます。
クリニックを選ぶときには、個人単位の定着率の高さと共に、定着した患者さんの割合がどれくらいなのかもチェックしておくことをおすすめします。
植毛手術の効果が実感できるのは、移植後に一度髪の毛が抜け落ち、再び生えてきた髪の毛がある程度成長したころです。
効果が実感できるようになるまでには、一般的に10カ月~1年近くかかりますが、特に術後1カ月目は髪の毛がほとんど抜け落ちるため、失敗したのではないかと思い悩む患者さんが多いです。
術後に移植部分の髪の毛が抜けることをショックロスといいますが、これはほとんどの患者さんに見られる現象ですのであまり深刻にならないようにしましょう。
もちろん、本来のタイミングよりも大幅にずれて抜け毛が見られる場合、ショックロス後にいつまでたっても産毛が生えてこない場合など、目安とは異なる変化を見つけた時にはクリニックに相談したほうが安心です。
産毛は手術から半年くらい経過したころに現れてきますが、もともと髪の毛が薄くなっていただけで産毛が目立たない人の場合には、変化に気づきにくく不安な毎日を送ることになります。
しかし、ストレスも薄毛の原因の一つといわれていますし、1年は様子を見るくらいの気持ちで過ごすことをおすすめします。
手術直後に髪の毛が一時的に抜け落ちることをショックロスといいます。
直後とはいっても、手術の跡から大体1カ月くらいかけて抜け落ちていきますので、気づかない人もいます。
逆に、手術後4カ月くらいは抜け続ける人もいますので、不安に感じることもあります。
これは個人差の範囲ですので、抜け毛が移植した個所に集中しており、半年以内に抜け毛が落ち着いてきたと思われる場合には必要以上に心配する必要はありません。
ショックロスの後は髪の毛が生えてこないと考えている人もいますが、実際にはヘアサイクルが一度早まって起こるだけであり、毛根はそのまま移植した個所に根付いています。
きちんと定着していれば数か月かけて新しい髪の毛が生まれてきますので、慌てて次の手術を申し込まないようにしましょう。
植毛手術を終えてから1年が経過し、結果的に定着せずに終わってしまった場合には、植毛を諦めるのか、それとも対策を立て直すのかという選択肢に迫られます。
そこで、こちらでは失敗したものの、薄毛対策を諦めないという選択を選んだ場合の対策手段についてご紹介していきます。
クリニックの治療方針やスタッフとの折り合いが自分と会わなかったという場合には、手術の失敗を気に他のクリニックに移るというのも一つの方法です。
ただし、この場合には初回のカウンセリングや以前にも行った検査をまた一から受けなければなりませんし、手術に関しても費用面での割引などはありません。
植毛手術に再挑戦したい、以前のクリニックとは違うところで受けたいという場合の手段となりますが、時間的、金銭的な負担は大きくならざるを得ないことを理解しておきましょう。
なお、再手術の場合には、以前の手術の影響を少なからず受けます。
再度移植するためのグラフトを採取しなければならないため、どうしても傷が広範囲になりますし、場合によっては薄毛の箇所を十分にカバーできるほどのグラフト採取が困難なケースもあります。
一度手術を受けたことで頭皮にもダメージがありますので、できるだけ負担が少ない手術方法を選び、信頼できるクリニックを探しましょう。
再手術については、前回の手術から半年程度経過していれば受けられます。
手術の成否は1年程度様子を見なければわかりませんので、術後1年以上経過して、失敗と判断した時点であれば再手術をすぐに受けることには問題はありません。
前回の手術に関する資料などが手元にあれば、新しいクリニックに持ち込むことで同じ失敗をしないように考慮してもらえます。
参考:AGA治療は保険適用外!?費用の相場と安く抑える方法まとめ
植毛は、薄毛治療の最後の砦といわれています。
このことからもわかるように、ほとんどの人が費用や体への負担がより少ない治療法を優先して受け、それでも変化がなかったときには植毛に踏み切るという人が多いです。
しかし、効果のほどがわからない治療を続けるよりも、最初から植毛に挑戦したいという人もいますし、一度植毛を行った結果、毛根自体は定着して何らかの理由でショックロス後の髪の毛が生えてこなかったという人もいます。
術後に他の治療を受けたところ、以前よりも薄毛の改善効果が見られたというケースもありますし、まずは植毛以外の治療法について調べてみるとよいでしょう。
手術以外の治療法としては、投薬、注射、HARG療法などがあります。
投薬は、AGAの改善効果が高いプロペシアやミノキシジルを中心とした処方の他、薄毛治療の研究を重ねているクリニックによるオリジナルカクテルを使用しているところもあります。
注射は発毛因子や育毛効果のある成分を頭皮に直接注入するというもので、ごく細い針を使うため、痛みはほとんどありません。
HARG療法は比較的歴史が新しく、成長因子を頭皮に注入することにより、毛根があっても発毛していなかった髪の毛を活性化させて量を増やすというものです。
クリニックによって対応可能な治療が異なりますし、自分が受けたい治療を行っているところを優先的に探す必要があります。
失敗の理由がクリニックによるものでなかった場合には、その後の相談についても同じクリニックを利用して差し支えありません。
一回で成功しなかった手術が、2回目以降で無事に定着したというケースもありますので、思ったように髪の毛が増えなかったときには気兼ねなく相談しましょう。
クリニックによっては、手術に失敗した場合、無償で再手術を行うアフターサポートを保証しているところもあります。
また、同じクリニックで再手術をするときには、割引価格にしているところも多いため、新しくクリニックを探すよりも費用面での負担は少なくなります。
何より、一度手術を受けたところならば患者さんの体調面や髪の毛の特徴などを踏まえ、さらに成功率の高い手術に挑戦できるというメリットがありますので、自分に原因があったケースならば同じクリニックの方が安心できます。
もちろん、そのクリニックで手術以外の治療も行っている場合には、治療方針を大幅に変更して、より高い成功率を望むことも可能です。
再手術だけでなく、他の治療法なども考えて担当医に相談してみましょう。
高額の植毛手術に挑戦するのは、ひとえに薄毛の悩みを確実になくしたい、できるだけ今後のメンテナンスの必要がない治療を行いたいなどの植毛ならではのメリットを望むからです。
費用が高額であり、体への負担というリスクもある手術ですので、自分でできる手段はできるだけ行い、成功率を高めていきましょう。
こちらでは、自分でできる成功率アップのための対策についていくつか見ていきます。
植毛の手術は、グラフトの採取方法、植込み方法などでいくつかの種類があります。
昔からあるメスを使ってドナーを採取するFUTストリップ法では、後頭部の頭皮を1cm×数十cmの範囲で帯状に切り取り、これを小さい株に切り分けます。
植え込むときにも移植する部分に切り込みを入れて植え込むという方法ですので、頭皮の傷が大きくなりやすいです。
一方、FUEくりぬき法は、メスを入れずに後頭部の毛髪が生えている部分をくりぬいてグラフトを採取し、植え込むときにも移植する場所に穴をあけてはめ込んでいくという作業です。
これをさらに進化させたのがQHRシステム i-ダイレクト法で、極細のホール穴でピンポイントにくりぬいて採取したのち、植え込む際も空気圧を使って毛根に負担を与えない配慮がなされています。
また、FUEくりぬき法を自動で行うロボットもあり、デジタル処理で効率的に間引きながらグラフトを採取したのち、手作業で植え込みを行っています。
このように、自毛植毛でも定着のしやすさ、体への負担を考慮して手術法は日々進化していますので、どの治療法が良いかを自分で考えて、その方法で植毛を行っているクリニックを選ぶことで、成功率がアップします。
そもそもの話ですが、人工毛植毛は人工的に作られた髪の毛を植え込むことから、半永久的な定着は望めません。
また、拒絶反応などにより頭皮の状態が以前よりも悪化する可能性もあります。
そのため、できるだけ拒絶反応が少ない自毛植毛を選ぶようにすることが、手術後の頭皮トラブルを避けるために重要です。
グラフト採取が困難なほど薄毛が進行しているときは、思い切ってスキンヘッドにしたり、かつらや他の改善方法などを考慮することも一つの方法です。
手術の成功率は、クリニックの技術力や手術に関する心構えが大きく作用するといっても過言ではありません。
カウンセリングや検査の時点でも、患者さんが気になる点を気軽に質問でき、さらにスタッフがそれに納得できるような回答をしてくれるなど、医療機関と患者さんの意思の疎通がしっかりできている状況の方が、患者さんの情報を受け取りやすく、患者さんにとっても安心できて順調に作業をすすめられます。
クリニック探しのコツは、サイトで書かれている内容だけをうのみにせず、忌憚のない意見を見ることができる場所を探すことです。
知人が植毛手術を受けたときの感想が聞ければよいですが、それ以外にもクリニックの比較サイトや利用した人のブログ、ランキングサイトなどいろいろなところで情報収集は可能です。
また、治療内容についてきちんと記載してあれば、自分が受けたい内容の治療が受けられるかどうかを簡単に探せます。
そして、最終的にはやはり、実際にそのクリニックに出向いて、医師やスタッフと話をすることが大切になります。
カウンセリング自体は無料ですので、治療の内容やメリット、リスク、費用など、気になることはどんどん質問しましょう。
患者さんの疑問や不安に真摯に答えてくれるクリニック、過去の実績が豊富なクリニックであれば、手術の成功率も高めやすくなります。
参考:M字はげ植毛の効果と費用はどれくらい?対策方法と各費用について解説
手術後は、特に問題もなく髪の毛が定着し、メンテナンスに通う必要もないというのが理想的な結果です。
ですが、実際には術後の普段とは異なる感覚や見た目に戸惑うことも多いですし、最悪手術に失敗した場合、どれくらい対処してもらえるのかというのは多くの患者さんの気になるポイントとなっています。
そこで、クリニックを選ぶ際の参考材料の一つとして、アフターフォローがどれくらいしっかりしているのかを確認するという方法があります。
サイトに掲載されている内容やカウンセリングで質問した内容をもとに、手術の危険性や失敗した時にどのような対処をしてくれるのかなどを事前に確認しておきましょう。
また、手術が成功した場合でも、術後どれくらい相談に乗ってくれるのか、相談の手段はどのようなものがあるのか、質問に対する回答にかかる時間や費用など、術後を想定していろいろな疑問について確認しておくことをお勧めします。
術前、術後には、定着率を高めるための意思からのアドバイスがあります。
これをおろそかにしていると、定着率が下がりやすくなりますので、できるだけまもるようにしましょう。
例えば、手術前数週間は、タバコを避けるように指示されます。
これは、タバコで血流が悪化することにより、移植したグラフトが頭皮に定着しづらくなるのを防ぐためです。
また、手術の後は頭皮に大きなダメージがあります。
ここで必要以上に血流を促すような行動をとると、傷の回復が遅くなったり、手術中の出血量が増えたりしますので要注意です。
術前は過度の飲酒を避け、術後は激しいスポーツや長時間の入浴、飲酒をしないように安静にします。
手術の傷は方法にもよりますが、だいたい1週間もすれば落ち着いてきますので、その後は普通の生活に戻しても構いません。
ただし、薄毛を促すような偏った栄養バランスの食事、不規則な生活などは避けたほうが良いでしょう。
シャンプーについては、頭皮や髪の毛に強い刺激を与えないように優しくあります。
シャンプー類は刺激の少ないものを選び、ある程度の期間が経過するまでは整髪料等の薬品が傷口に付着することも避けたほうが無難です。
術後の生活について不明なことがあったら、クリニックに相談しましょう。
手術を終えると、少なくとも1回は抜歯のためにクリニックに通わなければなりません。
その後、クリニックからは手術後の経過を観察するために1ヶ月くらい経過してから診察に来るように指示されますが、強制ではないため特にトラブルがないときにはそのまま診察をせずに終えるという人も少なくありません。
手術が成功すればよいですが、術後の傷の状態を見たり、頭皮の状況を確認するため、術後の診察や検査はできるだけ受けたほうが安心です。
髪の毛が定着するまでには1年程度かかりますが、トラブルがなければ通う頻度はそれほどでもなく、遠方でも通いやすいです。
きちんと髪の毛が定着しているか、普段の生活で気を付けることがあるかなど、順調に定着させるためのメンテナンスとして、1年間は通い続けることをお勧めします。
髪の毛を増やしたいという方はこちら↓
このように、植毛は失敗した時のリスクが比較的大きい可能性もあります。
自毛植毛が成功し、自分の髪の毛が薄くなっている場所に無事に定着した時のメリットは非常に魅力的ですが、手術をする前にリスクについてもしっかり検討しておきましょう。
近年では、植毛に関する研究も世界的に進められており、どんどん患者さんの体への負担が軽く、手術の経験が少ない医師でも安全に行えるような術式が開発されています。
そのため、以前に比べると気軽に挑戦できるようにはなっているものの、費用面ではやはり負担が大きくなりますし、失敗しないような手術にしたいというのが患者さんにとっての強い希望となります。
費用面に関しては、カウンセリングのときなどに医師やスタッフに金額をきちんと確認し、クレジットや分割払い、ローンなどの利用が可能かも確認しておくと気持ちが楽になります。
手術自体の成否に関しては、自分でできることは準備しておき、後悔のない手術を迎えられるようにすることをお勧めします。
このように、植毛は成功すれば長期的に薄毛の心配から解放されますが、失敗する可能性がゼロというわけではありません。
むしろ、投薬や注射などの治療とは異なり、体に負担がかかる手術を行う分、他の育毛方法に比べるとリスクが大きいという考え方もあります。
そのため、自分でできる対策はとるようにして、高額な費用やダウンタイム、痛みなどのリスクがあっても結果に満足できるよう、自分自身も努力する必要があります。
適切な対処をすることによって、失敗する確率は大幅に減らせるでしょう。
植毛手術を行っているほとんどのクリニックで、治療に関する相談は随時受け付けています。
クリニックにもよりますが、メールや電話、SNSなどが利用できますので、直接診察に行けなくても気軽に相談が可能です。
めったに経験する治療ではありませんので、不安や気になることがある場合には、我慢せずにその都度確認しておいた方が、不要なストレスをため込まず、正しい対処ができるために失敗の予防にもつながります。
万が一初回の手術に失敗したとしても、再手術を無償で行ってくれるところもありますので、クリニック探しの参考にしましょう。