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AGAはどう治療する?クリニック以外の治療法はある?



AGAはどう治療する?クリニック以外の治療法はある? 壮年期以降の多くの男性を悩ませているAGAですが、AGAについてよく知らないとか、もっと詳しいことを知りたいという方もいらっしゃることと思います。

そこで今回は、AGAとはどのようなものなのか、その原因や治療法について迫りたいと思います。

また、自宅でできる予防法なども紹介します。

AGAとは

ネクタイの画像

AGAの治療法について解説する前に、まずはAGAとはどのようなものなのかについて知っておきましょう。

それによって、どのように治療したり予防したりすればよいかが分かることと思います。

AGAは、英語の「Androgenetic Alopecia」の頭文字をとったもので、日本語にすると「男性型脱毛症」となります。

壮年期以降や中年期以降の男性にみられるイメージが強いと思いますが、日本皮膚科学会の定義によると、「思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛症である」とされています。

生理的な現象であり、別に病気という訳ではないのですが、見た目のイメージが大幅に変わってしまうことから、社会的な影響は大きいと考えられています。

心ない「ハゲ」という言葉に傷つく男性が多いことも事実です。

AGAにはいくつかの原因があります。

また、単一の原因によって発症するというよりは、複数の原因が絡み合って発症、進行するケースが多いようです。

では、AGAの原因としてはどのようなことがあげられているのでしょうか。

遺伝

男性にみられる薄毛というと、遺伝が原因だと考えられている方も多いと思います。

確かに、父親や祖父が薄毛の人を見てみると、その人自身も薄毛になっているようなケースが見受けられることもあります。

ただ、遺伝によって薄毛になる可能性は、およそ25%だと考えられています。

4人に1人が遺伝によって薄毛になるということですが、この数字が多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思います。

逆に考えると、4人に3人は遺伝以外の要因で薄毛になるということですから、遺伝以外の要因の方がより重要だと考えることも可能なわけです。

出典:https://www.rs-clinic.com/menu/aga_gene.html

遺伝が原因でAGAになる場合、2つのことが考えられます。

1つは、遺伝的にAGAの原因である5α-リダクターゼの分泌量が多いということです。

5α-リダクターゼは、5α変換酵素と呼ばれることもあり、男性ホルモンであるテストステロンが、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化する際に、触媒としての働きをします。

男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプターといいます)がジヒドロテストステロンに反応すると、サイトカインの一種である「TGF-β」と呼ばれる物質が産生されます。

TGF-βは「退行期誘発因子」とも呼ばれています。

髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期をヘアサイクルと呼んでいますが、TGF-βはその周期に異常をもたらすのです。

ヘアサイクルはおよそ4年から7年の周期で繰り返されていますが、その大部分は髪の毛の成長期にあたっており、ヘアサイクル全体の85%から90%を成長期が占めるとされています。

髪の毛の成長期が終わると、次に退行期を迎えることとなります。

出典:http://www.kao.co.jp/rd/t-f/con00/index.html

退行期を迎えた髪の毛は、毛母細胞から栄養を受け取ることができなくなります。

そして、休止期を迎えると新たに生えてきた髪の毛に押し出されるようにして抜け落ちるのです。

これが正常なヘアサイクルです。

ところが、TGF-βが産生されると、成長期が短縮され、退行期を早く迎えてしまうこととなります。

その結果、髪の毛が抜けおちた後も、長いこと新しい髪の毛が生えてこないという現象がみられるようになるのです。

そのような毛根が増えてくると、徐々に地肌が目立つようになり、AGAが進行してしまうという訳なのです。

遺伝が原因でAGAになるもう1つの理由として、アンドロゲンレセプターの感受性があげられます。

抜け毛は、アンドロゲンレセプターがジヒドロテストステロンに反応することで、TGF-βが産生されることによって促進されます。

このアンドロゲンレセプターの感受性は人によって異なっているのですが、遺伝的にアンドロゲンレセプターの感受性が高い場合、AGAを発症する確率も高くなるとされているのです。

遺伝によってAGAになるのは、およそ4人に1人ということでした。

では、その他の原因にはどのようなものがあるのでしょう。

その1つとしては、生活習慣があげられます

特に、身体的・精神的ストレスがたまるような生活習慣をしていると、AGAになるリスクが高まってしまいます。

ストレス状態が継続すると、自律神経のうち、交感神経が優位になります。

交感神経は車でいうところのアクセル様な働きをしており、神経を興奮させて活発に行動できるように導いてくれます。

ところが、ストレスによって交感神経優位の状態が継続すると、夜になってもアクセルを踏みっぱなし状態になってしまい、身体を休めることができなくなってしまいます。

通常は、寝ている間に成長ホルモンが分泌され、細胞分裂を促進し、それによって毛髪も成長することとなります。

ところが、交感神経優位の状態が続くと睡眠の質が低下し、十分に細胞分裂をおこなうことができなくなってしまいます。

また、交感神経が優位になると、血管が収縮して血液の循環が悪くなってしまいます。

血液は全身に酸素と栄養を送っているので、血行が悪くなった場所には栄養状態の低下がみられることとなります。

血行不良による頭皮の栄養状態が低下すれば、必然的に抜け毛のリスクが高くなるのです。

AGAの原因としては、頭皮環境の悪化もあげられます。

植物が育つためには、水や太陽光、二酸化炭素のほかに、肥沃な土壌が必要となります。

髪の毛に関しても同じことが言えます。

髪の毛が生えて、太く強く成長するためには、頭皮環境がよくなくてはならないのです。

頭皮環境を悪化させる理由は実にさまざまで、先にあげたストレスによる血行不良も、頭皮環境悪化の一因となります。

また、運動不足や冷え症などによる血行不良もやはり、頭皮環境を悪化させてしまいます。

意外なところでは、誤ったヘアケアによる頭皮環境の悪化があげられます。

良かれと思っておこなっていたヘアケア法によって、AGAが進行してしまうこともあるのです。

その代表的なものが、洗浄力の強い市販のシャンプーで、ゴシゴシと頭皮を洗ってしまうことです。

市販のシャンプーには界面活性剤などの、洗浄力の強い成分が含まれています。

洗浄力が強ければよさそうに思ってしまうかもしれませんが、あまりに強力な洗浄成分は、髪の毛や頭皮にダメージを与えてしまうのです。

また、男性の場合、髪の毛が短いとドライヤーを使わない方もいらっしゃることと思います。

そして、ドライヤーで髪の毛を乾かさないことも、AGAの一因となることが分かっています。

髪の毛が濡れた状態が長く続くと、髪の毛を痛めてしまう要因となります。

また、頭皮の湿った状態が長く続くと、雑菌が繁殖するリスクも高くなり、結果として頭皮環境を悪化させてしまうという訳なのです。

疾患

なんらかの疾患によって、AGAを進行させてしまうこともあります。

代表的なものを上げるとすると、脂漏性皮膚炎がその候補となるでしょう。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌量が多い場所であればどこにでも起こりうる皮膚疾患です。

頭皮のほか、鼻の両脇や耳の裏、わきの下や胸部、背中などによくみられる疾患です。

脂漏性皮膚炎の原因はよく分かっていませんでしたが、最近になって、マラセチアという真菌(カビの一種)が原因となって、脂漏性皮膚炎が悪化するのではないかと考えられています。

マラセチアは皮脂をエサとして成長、繁殖するため、皮脂の分泌量が多いと脂漏性皮膚炎の進行も早いのです。

そして、頭皮に脂漏性皮膚炎を発症すると、頭皮環境が悪化し、脂漏性脱毛症となって抜け毛が増えてしまうのです。

さらに知りたい方はこちら:薄毛やはげの原因と種類、特徴

AGAになってしまう原因は、実にさまざまであることを理解して頂けたことと思います。

では、AGAはほかの脱毛症と違って、どのような特徴があるのでしょうか。

AGAの特徴としては、局所がはげあがってしまうということがあげられます。

女性であっても、加齢によって髪の毛の薄くなることがあるのですが、女性の場合は全体的な髪の毛のボリュームダウンがみられたり、地肌が透けて見えるようになったりといった感じの薄毛になります。

AGAの場合は、生え際の部分が後退していったり、頭頂部からの抜け毛が目立つようになったりと、局所がはげ上げる特徴があります。

俗にM字ハゲとかO字ハゲといわれるのはそのためです。

AGAの特徴としては、不可逆性であるということがあげられます。

分かりやすくいうと、元に戻ることはないということです。

確かに、AGAの治療をおこなうと、現状よりも髪の量の増えることがあります。

ただ、それは年齢相応のレベルに戻るというだけのことです。

たとえば、30歳でAGAの治療を始めたとします。

そして、40歳になってAGAの治療をやめたとします。

その際、髪の毛の量が治療開始時の30歳レベルに戻るのではなく、AGAの治療をしなかった場合の40歳レベルの髪の量になるのです。

つまり、AGAの治療は継続しておこなわないと、不可逆的に進行してしまうということが可能なのです。

ただ、治療をやめてどのレベルにまで戻るかに関しては個人差があります。

AGAは治療や何らかの対処をおこなわないと、進行を止めることができないということでした。

では、AGAの治療現場では、どのような治療がおこなわれているのでしょうか。

基本的には、AGAの治療薬を服用し、生活習慣を改善することとなります。

では、AGAの治療薬について見ていきましょう。

プロペシアは、AGA治療薬の先駆けとも呼べる存在です。

有効成分のフィナステリドには、抜け毛の原因であるジヒドロテストステロンを産生する元となる、5α-リダクターゼの分泌を阻害する働きがあります。

フィナステリドは、後に紹介するデュタステリド、ミノキシジルとともに、厚生労働省によって発毛効果の認められているAGA治療薬の1つです。

わが国では現在のところ、上記の3種類しか認可されていません。

プロペシアは国内での特許期間が過ぎているので、ジェネリック(後発医薬品)も多数販売されています。

そのため、AGA治療薬の中では、比較的安価で利用できるというメリットがあります。

参考:プロペシアの効果と副作用を徹底検証!一ヶ月にかかるお値段は?

ザガーロは2016年に発売された比較的新しいAGA治療薬で、有効成分としてデュタステリドを配合しています。

デュタステリドは、プロペシアの有効成分であるフィナステリドと同様、5α-リダクターゼの分泌を阻害し、ジヒドロテストステロンの産生を抑制、結果として抜け毛を防ぐという働きを有しています。

ただ、フィナステリドが2型の5α-リダクターゼの分泌を抑制する効果しかないのに対し、ザガーロの有効成分であるデュタステリドには、1型と2型、両方の5α-リダクターゼの分泌を抑制する働きがあります。

そのため、プロペシアよりもザガーロの方が、効果が高いとされているのです。

参考:AGA治療に効果あり?抜け毛を抑えて発毛をうながす薬ザガーロ

ミノキシジルは、血管を拡張して血行を促進する働きのある成分で、日本では塗り薬タイプのミノキシジルだけが認可されています。

代表的なものは、大正製薬の販売しているリアップシリーズです。

頭皮に塗布することによって、頭皮環境を改善し、ヘアサイクルを正常化させて、発毛促進することを目的としています。

プロペシアやザガーロと併用することで、発毛効果がアップするとされています。

参考:ミノキシジルの副作用を様々な角度から検証する

AGA クリニック以外の治療方法

橋と男の画像

AGAは基本的に、AGAを専門としている病院やクリニックで治療することとなるのですが、自宅でも以下のような方法で、AGAの進行を遅らせることが可能です。

ただ、あくまでも補助的な手段であることを忘れないようにしてくださいね。

AGAの進行を遅らせる方法としては、育毛剤を用いるという手があります。

育毛剤はAGA治療薬とは異なり、医薬部外品であることがほとんどなので、AGA治療薬に比べて比較的副作用のリスクが少ないです

天然由来の成分からできているため、髪の毛や頭皮を痛めることなく、頭皮環境の改善が図れます。

ただ、副作用のリスクが少ない分、AGA治療薬ほどの発毛効果は期待できません。

主に期待できるのは今ある髪の毛を育てるために頭皮環境を整えることです。

参考:【厳選AGA】育毛剤の人気ランキングTOP5!

AGAになる原因の1つとして誤ったヘアケアの習慣があげられていました。

特に、化学的成分を多く配合した市販のシャンプーによって頭皮環境が悪化すると、脂漏性皮膚炎や脂漏性脱毛症、そしてAGAになるリスクが高くなります。

そのような場合、育毛用のシャンプーを用いるという手があります。

育毛用のシャンプーには、市販のシャンプーに含まれているような、髪の毛や頭皮にとっての有害な成分が含まれていません。

ただ誤解しないでいただきたいのですが、育毛用のシャンプーを利用したからと言って、髪の毛がどんどん生えてくるわけではありません。

あくまでも、髪の毛が生える環境を整えるためのものだということを忘れないようにしてくださいね。

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AGA対策としては、育毛用のサプリメントを摂取するということもあげられています。

髪の毛も食べものを栄養としてできていますから、髪の毛の成長に必要な栄養素をサプリメントから摂取することで、髪の成長の手助けができるという訳です。

髪の毛の成長や保護にとって必要な栄養素としては、亜鉛やビタミン類などがあげられます。

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日頃の食生活で足りない分をサプリメントで補うとよいでしょう。

ただし、サプリメントはあくまでも栄養「補助」食品です。

栄養バランスのとれた通常の食事が重要なことは言うまでもありません。

また、サプリメントを飲んだからと言って、髪の毛がどんどん生える訳ではありません。

育毛剤も育毛用シャンプーも、そして育毛用のサプリメントも、直接的に発毛にかかわるものではありません。

あくまでも頭皮環境を整えて、髪の毛の成長を手助けするためものであることを覚えておきましょう。

医者に頼るのが最善

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AGAの原因や治療法、自宅でできるケアなどについて見てきましたが、基本的にAGAの「治療」は、AGAを専門としている病院やクリニックで診てもらうのが一番です。

自己判断であれこれと考えていても、時間の無駄であることがほとんどです。

薄毛が気になり始めたら、まずは専門医に相談するようにしましょう。

それが、薄毛改善への一番の近道です。

まとめ

男性の髪型の画像

AGA治療について見てきましたが、いかがだったでしょうか。

AGAの原因はさまざまですが、早めに手を打たないと、徐々に進行していってしまいます。

遺伝によるAGAは全体の4分の1ということなので、生活習慣の改善やストレス解消をおこない、薄毛になるリスクを低下させましょう。

また、育毛剤や育毛用のシャンプー、サプリメントなどはあくまでも補助的なものです。

ある程度進行してしまったAGAは、やはり専門の病院やクリニックで見てもらうのが一番です。

なるべく早めに診てもらって、少しでも薄毛になる時期を先延ばししたいものですね。