それでは早速ですが、ミノキシジルとはどのようなものなのかについて見ていきたいと思います。

ミノキシジルの歴史は意外に古く、今をさかのぼること半世紀以上も前の1960年代にアメリカのアップジョン社（現ファイザー）が開発、製造しています。

ただ、当初は男性型脱毛症の治療薬としてではなく、高血圧を改善するための治療薬として用いられていました。

ところが、ミノキシジルを服用している人の多くに、髪の毛や体毛が濃くなる効果が現れたことから、1980年代になってアップジョン社が男性型脱毛所の治療薬として、ロゲインと呼ばれる外用薬の販売を始めました。

ミノキシジルの外用薬は、厚生労働省が認可する男性型脱毛症の治療薬の1つです。

日本で認可されている男性型脱毛症の治療薬としては他に、フィナステリドとデュタステリドの2種類があります。

フィナステリドとデュタステリドは男性ホルモンのアプローチすることで抜け毛予防することを目的としていますが、抜け毛を予防するだけでなく、継続して使用することで発毛効果も得られることが分かっています。

フィナステリドとデュタステリドに関しては内服タイプの医薬品が認可されており、前者の代表的な医薬品としては「プロペシア」が、後者の代表的な医薬品としては｢ザガーロ｣がよく知られています。

ミノキシジルは、国内では塗り薬タイプのみが認可されているのですが、実は内服タイプのミノキシジルタブレットと呼ばれる医薬品もあります。

認可されていないから使われていないという訳ではなく、実際には男性型脱毛症を専門とする病院やクリニックで処方されることがあります。

なぜかというと、塗り薬タイプのミノキシジルよりも、内服タイプのミノキシジルの方が発毛効果の高いことが分かっているからです。

その点に関しては後ほど詳しく説明したいと思います。

国内で用いられている、ミノキシジルを配合した代表的な製品としては、大正製薬が販売元となっている｢リアップシリーズ｣がよく知られています。

現在では女性用の｢リアップレディ｣と呼ばれる製品も販売されています。

ミノキシジルとはどのような医薬品なのかを簡単に紹介してきましたが、次に、ミノキシジルにはどのような効果があるのかについて見ていきたいと思います。

ミノキシジルが男性型脱毛症の治療薬として用いられているのは、当然ながら発毛効果が期待されているからです。

リアップシリーズの1つに「リアップX5プラス」と呼ばれる製品がありますが、その臨床試験のデータが公開されているので紹介しておきたいと思います。

リアップX5プラスには、ミノキシジルが5%配合されていますが、20週に渡って継続的に利用した場合、90%以上の人に軽微な毛髪成長および、中等度の毛髪成長が見られたということです。

また、24週に渡って継続して利用した人のほぼ半数に、男性型脱毛症の軽度の改善が、残りの4割に中等度以上の改善が見られたということです。

以上は医師から見た所見になるのですが、被験者自体の乾燥もあるので紹介しておきたいと思います。

リアップX5の使用を開始してから16週が経過した時点で、およそ6割の人が改善効果を実感しています。

また、52週に渡って継続的に使用した場合、およそ6割の人が｢明らかによくなった｣と実感しているということです。

ミノキシジルにはヘアサイクルを正常に戻す効果も期待されています。

通常、髪の毛は4年から6年かけて成長し、その後抜け落ちるというサイクルをたどります。

そして、そのサイクルのことを｢ヘアサイクル｣と呼んでいるのです。

ヘアサイクルのほとんどは髪の毛の「成長期」にあたっており、最後の4ヶ月程度が、髪の毛の成長が止まる「退行期」、そして髪の毛が抜けおちる｢休止期｣となっているのです。

このサイクルが正常に回っていると、新しく生えてきた髪の毛に押し出されるようにして、成長を終えた髪の毛が抜けおちるということになる訳です。

ところが、男性型脱毛症になってしまっている人の場合、髪の毛の成長期が短くなっているという現象が見られます。

通常であればしっかりと太く育つはずの髪の毛が早めに退行期を迎えてしまうため、細くて弱々しく、抜けやすい髪の毛になってしまうのです。

ヘアサイクルがうまく回っていれば、髪の毛は毛根から太く、強くなるのですが、男性型脱毛症の場合、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまうのです。

ミノキシジルには、ヘアサイクルを正常化させ、髪の毛がしっかりと成長するサポートをしてくれるという訳なのです。

ミノキシジルには発毛効果があるだけでなく、抜け毛を予防する効果もあります。

抜け毛の予防効果は、先に述べたヘアサイクルの正常化によってもたらされます。

国内で認可されているミノキシジルは塗り薬タイプだけですが、実際には発毛効果の高さから、男性型脱毛症の治療を専門としている病院やクリニックで、内服タイプのミノキシジルタブレットを処方されることがあります。

では、ミノキシジルタブレットの飲み方はどうなっているのでしょうか。

ミノキシジルタブレットに限った話ではありませんが、医薬品と言われるものは用法・用量を守って飲むことが絶対条件となっています。

たくさん飲んだからその分だけ効果が上がるという訳ではありませんし、副作用のリスクが上昇する恐れもあります。

ミノキシジルタブレットには、ミノキシジルを5㎎配合したものと、ミノキシジルを0mg配合したものと2種類がありますが、いずれも通常は1日に1錠を服用することが推奨されています。

実は、ミノキシジルタブレットを服用するタイミングに関しては、明確な決まりがありません。

というのも、ミノキシジルタブレットはもともと高血圧の治療薬として開発されたという経緯があるため、男性型脱毛症の治療薬として転用した場合のマニュアルがないのです。

ミノキシジルタブレットには、塗り薬タイプのミノキシジルよりも高い発毛効果が期待できるということですが、さらに発毛効果を高めるために、以下のような方法がとられることもあります。

ミノキシジルタブレットの効果をさらにアップさせる方法として、育毛サプリを併用するという方法があります。

育毛サプリには毛髪の成長にとって必要なミネラルや、発毛を促進する成分が含まれています。

また、育毛サプリは天然由来の成分から作られているため、副作用のリスクが少ないというメリットもあります。

発毛するためにはなによりも、全身の栄養状態が良好である必要があるので、育毛サプリを併用するのは理にかなっているという訳です。

ミノキシジルタブレットの効果を高めるためには、フィナステリドやデュタステリドを併用するという方法があります。

なぜフィナステリドやデュタステリドを併用することで発毛効果がアップするのかについては、男性型脱毛症の原因について理解する必要があります。

男性型脱毛症はさまざまな要因が絡み合って起こるのですが、その一因として男性ホルモンが旺盛になりすぎる、ということがあげられています。

男性ホルモンであるテストステロンが、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化すると、抜け毛の増えるリスクも高まることが分かっているのです。

男性ホルモンであるテストステロンが、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化する際に、重要な働きをするのが5α-リダクターゼと呼ばれる還元酵素です。

フィナステリドやデュタステリドには、5α-リダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロンの産生を妨げることによって、抜け毛を予防する効果があるのです。

 

5α-リダクターゼには1型と2型のあることが分かっているのですが、1型の5α-リダクターゼは全身の体毛および、側頭部や後頭部の毛包部に、2型の5α-リダクターゼは前頭部や頭頂部の毛包部に多く分布していることが分かっています。

ということは、男性型脱毛症の特徴であるM字ハゲやO字ハゲは、2型の5α-リダクターゼの関与が大きいということになります。

フィナステリドには2型の5α-リダクターゼの働きを阻害する効果があります。

また、デュタステリドには2型の5α-リダクターゼの働きを阻害する効果が、フィナステリドの3倍あると言われています。

ただし、デュタステリドを配合した男性型脱毛症の治療薬であるザガーロは発売から間もないため、ジェネリックがありません。

そのため、薬価が高いというデメリットがあります。

フィナステリドやデュタステリドとは異なり、ミノキシジルタブレットには男性ホルモンにアプローチするような働きはありません。

ミノキシジルタブレットには血管を拡張して血行を促進し、それによって毛母細胞の分裂を促すという働きがあります。

つまり、ミノキシジルタブレットとフィナステリドやデュタステリドとは、発毛に対するアプローチの方法が異なっているのです。

そのため、ミノキシジルタブレットとフィナステリド、またはミノキシジルタブレットとデュタステリドを併用することで、発毛効果をアップさせることが可能なのです。

「そんなに薬を飲んで大丈夫なの？」と思われる方もいらっしゃることでしょう。

ただ、実際に男性型脱毛症の治療を専門としている病院やクリニックで両者の併用をするところも多数ありますし、医師によって処方されていれば安全ということも言えます。

ミノキシジルタブレットは、塗り薬タイプのミノキシジルよりも発毛効果が高いということですが、国内では正式に認可されていないという現実があります。

なぜなら、ミノキシジルタブレットを服用することによる副作用のリスクがあるからです。

では、ミノキシジルタブレットにはどのような副作用の可能性があるのでしょう。

ミノキシジルタブレットはもともと高血圧の治療薬として開発されました。

ミノキシジルの働きによって血管を拡張し、それによって血液の循環がよくなることで血圧を下げるという訳です ところが、ミノキシジルタブレットを服用することによって、心疾患のリスクが高まるということが分かってきました。

 

なぜ血管を拡張する効果があるのに、心臓への負担が増大してしまうのでしょう。

実は、ミノキシジルタブレットの効果によって拡張するのは動脈だけで、静脈にはその効果が及ばないからなのです。

心臓から出た血液は動脈に乗って全身へと送られ、静脈に乗って心臓へと送り返されることとなります。

ところが、血管拡張効果が動脈にのみ見られるため、心臓へと戻ってくる血液の量が少なくなってしまいます。

そうなると、心臓は血液の循環を促進させようと、より強い力で血液を送ろうとするのです。

それによって心拍数が増加し、狭心症などが起こりやすくなってしまうのです。

また、ミノキシジルタブレットの効果によって血管が拡張し、一時的に血液の循環がよくなって血圧が下がると、脳は血圧を一定に保とうと血管を収縮させようとします。

その際に交感神経が優位になるのですが、交感神経が優位になることでさらに心拍数が増し、狭心症だけでなく、不整脈や動悸が起こりやすくなるのです。

ミノキシジルタブレットがなぜ、塗り薬タイプのミノキシジルよりも発毛効果が高いかというと、内服することによってその成分が血液中に溶けだすからです。

そのため、塗り薬タイプのミノキシジルよりも長い間、薬の有効成分が体内に留まることとなるのです。

ただ、血液中に溶け出した有効成分は、選択的に頭部にのみ送られる訳ではありません。

そのため、ミノキシジルタブレットを服用していると、髪の毛だけでなく、全身の体毛も増えるという副作用があるのです。

 

これに関してはミノキシジルタブレットに限った話ではないのですが、およそ医薬品というものには、肝臓に負担をかけるというデメリットがあります。

なぜなら、薬の効果が発揮される場所以外にとって、薬というものは毒物となるからです。

いかに副作用のリスクを低下させたとしても、まったく無害ということにはなりません。

身体に入ってきた有害なものを解毒する器官は肝臓であるため、医薬品を服用すれば肝臓に負担がかかるのは当然のことなのです。

そのため、医薬品は病院やクリニックで、医師によって処方されることが必要となっているのです。

ミノキシジルタブレットの効果や副作用については分かりましたが、では、ミノキシジルタブレットはどこで購入することが可能なのでしょうか。

クリニック名	対応地域	費用/月
AGAスキンクリニック	全国50院以上	14,000円～※
AGAヘアクリニック	自宅診療	10,000円

※オリジナル発毛薬(ミノキシジル,フィナステリド,サプリ等含む)

ミノキシジルタブレットは通常、男性型脱毛症の治療を専門におこなっている病院やクリニックで、医師によって処方されるのが一般的です。

ミノキシジルタブレットは厚生労働省によって正式に認可された医薬品ではないため、服用にあたってはより一層の注意が必要とされるからです。

医師の診察を受けて、既往歴や身体のコンディショニングを踏まえた上で、どのような治療法、および医薬品を選択するかが決定されるのです。

あたりまえといえばあたりまえですが、医師が医薬品を処方することにはちゃんとした理由があるのです。

ミノキシジルタブレットは、実は通販で購入することも可能です。

個人輸入や輸入代理店を通じて購入する訳ですが、通販で購入するような場合、もし副作用が生じたとしても、全て自己責任ということになってしまいます。

確かに、個人輸入や輸入代理店を通じて購入した方が薬価を抑えることが可能です。

ただ、病院やクリニックで処方される場合、その料金には安心料も含まれているということを知っておくべきでしょう。

男性型脱毛症の治療院として有名な「AGAスキンクリニック」では、「Rebirth」と呼ばれるオリジナルの治療薬を用いて、男性型脱毛症の治療をおこなっています。

Rebirthの特徴は、ミノキシジルとフィナステリドが主成分として配合されているという点です。

先にも述べたように、ミノキシジルとフィナステリドとでは、男性型脱毛症に対するアプローチ法が異なっているため、両剤を併用することで発毛効果をアップさせることが可能となっています。

その点において、Rebirthは理にかなった医薬品と言えるのです。

ミノキシジルタブレットについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

ミノキシジルタブレットには血管を拡張して、血液の流れをよくし、それによって頭皮の栄養状態を改善することで発毛効果が得られるということでした。

ただ、ミノキシジルタブレットには心臓への負担を増すという副作用や、全身の体毛が増えるという副作用もあるということです。

個人輸入や輸入代理店で購入することも可能なミノキシジルタブレットですが、安全面を考慮して、男性型脱毛症の治療を専門としている病院やクリニックで処方してもらうようにしましょう。