治療法によって大きく異なる?発毛にかかる費用はどれぐらい?
薄毛に悩んでいる場合には、クリニックで治療を受けることをおすすめします。
生活習慣が原因となっているケースもありますが、薄毛の主な原因は男性ホルモンといわれています。
適切な治療を受けることで、薄毛の進行を抑えられるでしょう。
気になるのは治療にかかる費用ですよね。
ここでは、発毛にはどれぐらいの費用がかかるのか、治療法ごとにご紹介します。
発毛する方法は様々で、それぞれにメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットを踏まえて、費用について確認することが大切です。
それでは、どのような治療法があるのかご紹介します。
●薬物療法
男性の薄毛は、男性型脱毛症によるものが多いとされています。
男性型脱毛症の薬物療法では、フィナステリドを有効成分とするプロペシアやミノキシジルなどを使用します。
プロペシアは、5αリダクターゼII型という酵素を阻害する薬です。
男性型脱毛症は、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼを結合し、ジヒドロテストステロンが作られるために引き起こされます。
そのため、5αリダクターゼを阻害するとジヒドロテストステロンの生産を抑えられるのです。
メリットは、1日1錠を飲むだけで薄毛の進行を抑えられることです。
デメリットは、服用をやめると再び薄毛が進行する可能性があることです。
薬を飲むだけで薄毛を改善できるというのは大きなメリットなので、毎日続けることはデメリットに感じないという方もいるでしょう。
プロペシアは薬なので、どうしても副作用が懸念されます。
プロペシアの副作用は、勃起機能不全や性欲減退などの性機能障害です。
また、発疹やじんましん、皮膚のかゆみ、乳房が大きくなる、抑うつなどの副作用もあります。
いずれも起こる頻度は低いですが、もし副作用が現れた場合は服用をやめてクリニックを受診しましょう。
プロペシアと併用されることが多いミノキシジルについても確認しておきましょう。
ミノキシジルは、髪の成長を促す細胞増殖因子の分泌を高めることで、発毛しやすくする薬です。
また、毛細血管を拡張させることで頭皮への血流を促し、栄養状態を改善させることで発毛させる効果も期待できます。
外用薬と内服薬があり、日本では外用薬しか認可されていません。
外用薬の使用方法は、1日2回1mlを患部に塗ります。
副作用としては、かぶれや湿疹、赤み、かゆみなどがあります。
なお、内服薬の副作用には血圧の低下や動悸、不整脈などがあります。
内服薬は個人輸入で入手できますが、偽物が送られてくるリスクもあるので、外用剤を使うようにしましょう。
メソセラピーとは、頭皮に発毛を促進させる成分を直接注入する治療法です。
フィナステリドやミノキシジルの他、髪の生成を促すことに繋がる栄養素などをブレンドしたカクテルを使用します。
クリニックによって使用している成分が異なるため、効果が現れるかどうか受けてみなければわかりません。
メリットとしては、薬物療法と併用することで効率よく薄毛を改善できることが挙げられます。
デメリットは、頭皮に注射針を刺すため痛みを伴うことです。
クリニックによっては、痛みを抑えるために非常に細い注射針を使用したり、冷たい器具で感覚を一時的に麻痺させてから注射したりします。
従来の治療法である薬物療法やメソセラピーは、薄毛の原因に対処することで症状を改善したり進行を抑えたりするものです。
毛細再生医療による治療は、発毛力を高めることによって薄毛の症状を改善させます。
現在クリニックで受けられる治療法には、グロースファクターやHARG療法などがあります。
いずれも、メソセラピーと同じような方法で頭皮に直接発毛成分を注入します。
グロースファクターやHARG療法で使用する発毛成分には、髪の生成を促す成長因子が含まれています。
頭皮に新しい血管を作ったり、毛母細胞という髪を作るために必要な細胞を活性化させたりすることで、発毛力が高まるのです。
HARG療法では、成長因子だけではなく、メソセラピーで使用されるようなフィナステリドやミノキシジル、ビタミンやミネラルなどを配合したカクテルを使用します。
定期的に何回かの治療を受けて、それを6ヶ月~1年程度続けることで発毛を実感できるようになるといわれています。
●自毛植毛
植毛には、自分の髪を移植する自毛植毛と、人工の髪を移植する人工毛植毛があります。
人工毛植毛は異物を頭皮に移植するため拒絶反応が起こりやすく、細菌感染もしやすいというデメリットがあります。
そのため、現在ではほとんど行われていません。
自毛植毛は、人工毛植毛とは違い男性型脱毛症を根本から改善できる可能性がある治療法です。
男性型脱毛症は、生え際や頭頂部の髪が薄くなるのですが、これには5αリダクターゼII型が関係しています。
後頭部には5αリダクターゼII型が少ないため、薄毛になりにくいのです。
自毛植毛では、5αリダクターゼII型の影響を受けにくい後頭部の髪を頭皮ごと薄毛の部分に移植します。
そのため、移植したところが再び男性型脱毛症によって薄毛になる心配が少ないのです。
また、自分の髪を移植するため拒絶反応が起こりにくく、生着さえすれば特別なメンテナンスも必要がありません。
また、生着後は他の髪と同じく成長するため、カットやヘアカラー、パーマなどもできます。
見た目も同じなので、植毛したことに気づかれる心配もないでしょう。
デメリットは、移植したところに生着しなければ髪が抜け落ちてしまう恐れがあることです。
生着率が下がる原因としては、頭皮を採取してから移植するまでに時間がかかることが挙げられます。
基本的に失敗の可能性は低いとされていますが、必ず生着するとは限らないことを覚えておきましょう。
また、手術によって植毛するため、合併症のリスクがあります。
顔のむくみや頭皮の知覚異常、移植したところの感染症などが考えられるでしょう。
また、メスで頭皮を広範囲に切除するFUT法による自毛植毛では、傷跡が残ります。
髪がある程度長い場合は傷跡を隠せますが、短い場合は目立ってしまうことがあるのです。
また、男性型脱毛症そのものを治療できる訳ではないため、植毛していない部分が薄毛になる可能性があります。
プロペシアやミノキシジルなどによる薬物療法と併用することが大切です。
✔発毛の治療法は薬物療法、メソセラピー、毛髪再生医療、自毛植毛がある
✔発毛のメリットとデメリットを知っておくことが重要
✔発毛の費用も確認しておく
発毛にかかる費用はクリニックによって異なります。
どのようにして費用が決まるのか確認しておきましょう。
発毛治療の際には施術日や薬代にばかり注目してしまいがちですが、初診料と再診料も確認しておきましょう。
初めて受診したときには初診料がかかり、2回目以降の受診の際には再診料がかかります。
再診料は2回目以降の受診の度にかかるので、できるだけ抑えたいところです。
例えば、再診料が1,000円の場合は1年で12,000円となります。
薬物療法が1ヶ月4,500円かかる場合、再診料だけで約3ヶ月分かかっていることになるのです。
治療費が安い場合、再診料を高く設定していないか確認しましょう。
結果的にどれぐらいの費用がかかるのかを計算することが大切です。
特定の施術を受ける場合に限り、再診料が無料になるクリニックもあります。
また、期間限定で再診料が無料になるなど、患者を集めるための施策を行っていることもあるのでホームページをチェックしましょう。
薄毛の治療においてカウンセリングはとても大切です。
薄毛だからと言って、必ずしも男性型脱毛症とは限りません。
薄毛を引き起こす病気には、円形脱毛症や甲状腺疾患などもあります。
そのため、症状や身体の状態を踏まえて慎重に診断されます。
また、薄毛の程度によって適用される治療法が異なります。
例えば、軽度の薄毛であれば薬物療法、すでに薄毛が進行しているため髪を増やしたいのであれば自毛植毛を受けることになるでしょう。
カウンセリングが無料のクリニックが多いですが、有料のところもあります。
カウンセリングのときに様々な検査をするため料金かかる場合や、しっかり時間枠を確保している場合などが考えられるでしょう。
また、治療費を安く見せるためにカウンセリング料で収益を補っている可能性もあります。
カウンセリングの内容がよほど充実していない限り、有料のクリニックを選ぶメリットはないでしょう。
薄毛の治療を始める前に、血液検査をすることが一般的です。
血液検査によって患者の健康状態を調べ、プロペシアやミノキシジルなどを使用してもよいかを判断します。
また、クリニックによっては、将来的に薄毛になるリスクについて調べることができます。
ただし、血液検査によって現在の薄毛が男性型脱毛症によるものかどうかを調べることはできません。
男性型脱毛症は、脱毛しているところ見て、特徴が当てはまっているかどうかを元に診断されます。
薄毛の治療は自費診療なのでクリニックによって薬の価格が異なります。
また、ジェネリック医薬品であれば、比較的安く処方してもらえます。
プロペシアやミノキシジルなどは使用をやめると効果が失われるので、長く続けることになります。
そのため、ランニングコストのことも踏まえて、薬の種類やクリニックを選ぶことが大切です。
また、薬は個人輸入で安く購入できることもありますが、安全性は高いとは言えません。
偽物を入手してしまい、重大な副作用が起こることも考えられます。
そのため、少し価格が高くてもクリニックで処方されるものを使うことが大切です。
メソセラピーや自毛植毛など医師が施術する治療には、薬剤や医療器具の使用料の他、技術料や麻酔の費用などがかかります。
特に、自毛植毛は他の治療法よりも料金が高く、移植の量によっては100万円を超えることもあります。
なお、料金にはアフターケアの費用も含まれています。
自毛植毛を受けた後には、移植したところを金具やテープなどで固定することになります。
生着さえすれば特別なメンテナンスの必要はありませんが、このようにアフターケアが必要なので、それだけ費用も高くなるのです。
治療費が高いからと言って必ずしも治療効果が高いとは限りません。
クリニックの広告宣伝に費用をかけている場合にも、治療費が高くなることがあります。
そのため、クリニックの実績数や医師の経歴などをチェックして、治療費と技術が伴っているか確認することが大切です。
✔クリニックの費用は初診料、再診料、カウンセリング料、血液検査料、薬の代金、治療費がある
✔発毛にかかる費用はクリニックによって異なる
✔クリニックの実績や医師の経歴を確認することは治療費を見るうえで重要
クリニックや治療法によって料金が異なります。
ここでは、薄毛の治療法の料金の相場をご紹介します。
男性型脱毛症の治療に使用されるプロペシアは、1ヶ月4,000~6,000円程度となっています。
自費診療なのでクリニックによって価格が異なります。
また、ジェネリック医薬品であれば、3,000~4,000円程度と比較的安くなっています。
料金が1,000円違うだけで、年間12,000円も費用が変わります。
できるだけ費用を抑えたい方もいるかもしれませんが、クリニックや医師の質なども踏まえて選ぶことが大切です。
また、ミノキシジルを併用する場合には、より多くの費用がかかるでしょう。
ミノキシジルの料金は、1ヶ月分で5,000~8,000円程度となっています。
他にもサプリなどを併用すると、1ヶ月あたり10,000円以上はかかることになるので、どの薬を使うか慎重に選びましょう。
メソセラピーにかかる料金は、使用するカクテルの内容や注入量によって変わります。
1回あたりの料金の相場は、5,000円~20,000円程度です。
また、クリニックによってはノンニードル注入療法という針を使わない方法を採用しており、注射針を使う方法よりも料金が高くなっています。
メソセラピーは定期的に受けることで効果の持続が期待できます。
1回5,000円で1年に6回の治療を受けた場合、30,000円となります。
1回10,000円だと60,000円にもなるので、回数についてはよく考えて決めることをおすすめします。
注入量が多い方が高い効果が期待できますが、少なくても十分に薄毛の改善が見込める場合もあるので、医師と相談して決めましょう。
毛髪再生医療のグロースファクターとHARG療法の料金の相場は次のとおりです。
グロースファクターの料金は、12回で50万円前後が相場となっています。
HARG療法よりも料金が安い傾向がありますが、これは成長因子しか注入しないためです。
HARG療法は、成長因子だけではなくビタミンやミネラルなども注入するため、グロースファクターよりも料金が高いと考えられます。
どちらの方が高い効果が現れるかは実際に治療を受けなければわかりませんが、予算に合わせて選ぶことが大切です。
HARG療法は、約6ヶ月を1クールとしていることが多いです。
1クールの料金は100万円前後が相場で、その後は年に1回のペースで治療を続けることが一般的です。
1回あたりの料金の相場は20万円前後となっています。
5年間、HARG療法を続ける場合は、120万円+20万円×5年=220万円となります。
自毛植毛は、移植する毛包単位で料金が決まっています。
1グラフトにつき毛が2~3本生えているので、100グラフトで200~300本の移植ができます。
1グラフトあたりの料金は800円~1,500円程度が相場です。
クリニックによっては、グラフト数が増えれば増えるほどに単価が安くなります。
また、頭皮を切除せず、状態が良い毛包を目視で確認して採取する方法や、ロボットを使った方法などがあります。
クリニックによって料金が大きく異なるので確認しておきましょう。
✔発毛は治療法やクリニックによって料金が違う
✔費用のことを踏まえて自分にあった治療法を選ぶ必要がある
料金だけでクリニックを選ぶことはおすすめできませんが、予算内に収めることが大切なので、各クリニックの費用について確認しておきましょう。
AGAの治療に特化しているクリニックの費用をご紹介します。
AGAスキンクリニックでは、オリジナルの発毛剤や毛髪再生医療、自毛植毛、メソセラピーなど一通りの治療を受けられます。
料金は次の通りです。
●薬物療法
プロペシア | 金額 |
---|---|
初回 | 4,200円 |
2回目以降 | 7,000円 |
ザガーロ | 金額 |
---|---|
初回 | 4,200円 |
2回目以降 | 7,000円 |
Rebirth | 金額 |
---|---|
内服薬 | 14,000~22,000円 |
外用薬 | 14,000円 |
Dr’sメソ | 金額 |
---|---|
2cc | 50,000円 |
4cc | 70,000円 |
成長因子の他、ヒアルロン酸やコエンザイムQ10など頭皮環境を整える成分を配合しています。
AGA幹細胞再生治療 | 金額 |
---|---|
2cc | 60,000円 |
4cc | 80,000円 |
AGAスキンクリニックのAGA幹細胞再生治療は、成長因子やミノキシジル、薄毛に効果が期待できる成分を独自に配合したカクテルを頭皮に注入します。
●自毛植毛
・スマートグラフト自毛植毛
料金の種類 | 金額 |
---|---|
基本料金 | 300,000円 |
100グラフト | 100,000円 |
・Hair Moving植毛法
料金の種類 | 金額 |
---|---|
基本料金 | 250,000円 |
100グラフト | 100,000円 |
スマートグラフト自毛植毛とHair Moving植毛法という方法を導入しています。
スマートグラフト自毛植毛は、頭皮から毛根をドリルで採取して、そのまま冷却装置に保存することで、毛包の質を維持して生着率を高めた治療法です。
Hair Moving植毛法は、いわゆるFUT法と呼ばれる一般的な自毛植毛の方法です。
新宿メディカルクリニックでは、薬ごとの料金をホームページに公開していません。
成長因子注入療法という名称の毛髪再生療法を導入しており、その料金のみ詳しく記載されています。
生え際か分け目に注入する場合は、1回8,000~24,000円、頭部1/3~1/2は1回40,000~56,000円、頭部全体は1回80,000円となっています。
なお、1ヶ月に2回の注入を推奨しています。
薄毛の部分に直接薬剤を注入するので、薄毛の範囲が広いとそれだけ注入箇所が増えます。
それに伴って料金も高くなっていくのです。
詳しい料金については、カウンセリングを受けなければわかりません。
また、治療効果によっては、予定よりも注入回数が多くなることも考えられます。
他に、育毛に効果が期待できる様々なビタミンを点滴する治療法も導入しています。
1回10,000円となっていますが、定期的に受けなければ効果は持続しないでしょう。
複数の治療法を組み合わせる際には、ランニングコストを踏まえて決めることが大切です。
新宿メディカルクリニックでは、成長因子注入療法と発毛剤を併用することを推奨しています。
そのため、場合によってはより多くの費用がかかるでしょう。
注入する場所 | 金額 |
---|---|
生え際か分け目 | 8,000~24,000円 |
頭部1/3~1/2 | 40,000~56,000円 |
頭部全体 | 80,000円 |
アイランドタワークリニックは、自毛植毛専門のクリニックです。
料金としては比較的高い分類になりますが、これは従来とは異なる方法で植毛しているためです。
i-Directは高い生着率を誇り、傷跡が目立ちにくいという自毛植毛です。
移植する毛包の質を低下させないために、平均的なスピードの約2倍の速さで採取します。
また、できるだけ毛包を痛めないように、空気圧を用いて移植します。
刈らないDirectは、毛髪を採取するところを刈り上げることなく自毛植毛できます。
従来の自毛植毛では、採取部を刈り上げる必要があるため、治療後に好きな髪型ができないという問題点がありました。
刈らないDirectは、目視で質のよい毛包を探し、その部分の髪だけをカットします。
そのため、治療の傷跡が目立ちにくいのです。
なお、刈らないDirectの場合も空気圧によって毛包を移植するため、高い生着率が期待できます。
料金の種類 | 金額 |
---|---|
基本治療費 | 200,000円 |
i-Direct | 1グラフトあたり1,200円 |
刈らないDirect | 1グラフトあたり2,000円 |
✔料金だけでクリニックを選ばないようにするべき
✔クリニックによってかなり料金が異なる
発毛にかかる費用について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
発毛治療には、薬物療法やメソセラピー、毛髪再生医療、自毛植毛などがあり、それぞれ全く異なる特徴を持ちます。
そのため、費用のことを踏まえつつ自分に合った治療法を慎重に選ぶことが大切です。
発毛にかかる費用について重要なポイントを以下にまとめました。
- 治療法によっては継続が必要
- ランニングコストを踏まえて治療法を選ぶ
- クリニックによって料金が大きく異なる
- 料金だけではなく実績や技術も踏まえて選ぶ
- 実際にカウンセリングを受けなければ詳しい費用はわからない
再診料が高いクリニックもあるので、必ず確認しておきましょう。
治療の料金が安くても、再診料が高いと結果的に総費用が高くなります。
また、クリニックによっては治療を受ければ受けるほどに料金が安くなることもあるので、詳しい料金体系についてカウンセリングのときに確認しておきましょう。
予算の範囲内で自分が満足できる方法で治療を受けてくださいね。
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